トレビスのレシピ決まり版!苦味を活かす美味しい食べ方から下ごしらえまで完全ガイド

イタリアンの食材・ハーブ

鮮やかな赤紫色が食卓を華やかに彩る「トレビス」。レストランのサラダなどで見かけることはあっても、ご家庭での使い方がいまいち分からないという方も多いのではないでしょうか。トレビスは見た目が紫キャベツに似ていますが、実はチコリの仲間で、独特のほろ苦さが魅力の野菜です。

この記事では、そんなトレビスの基本情報から、気になる苦味を上手に活かす下ごしらえの方法、そしてサラダはもちろん、炒め物や煮込み料理まで、トレビスの美味しさを存分に引き出す絶品レシピをたっぷりとご紹介します。 これを読めば、あなたも今日からトレビマスター。ぜひ日々の食卓に取り入れて、料理のレパートリーを広げてみてください。

トレビスってどんな野菜?美味しいレシピを知る前の基礎知識

レストランのサラダなどで見かける美しい赤紫色の葉野菜、トレビス。ここでは、その正体や魅力について詳しく見ていきましょう。美味しいレシピに挑戦する前に、まずはトレビスの基本を押さえておくことが、上手に使いこなすための第一歩です。

トレビスの見た目と味の特徴

トレビスはキク科キクニガナ属の野菜で、チコリの仲間です。 そのため「赤チコリ」と呼ばれることもあります。見た目は紫キャベツとよく似ていますが、分類上は全く別の野菜です。 紫キャベツは葉も葉脈も紫色ですが、トレビスは鮮やかな赤紫色の葉に白い葉脈がくっきりと入っているのが特徴で、その美しいコントラストが料理に彩りを添えてくれます。

味の最大の特徴は、独特のほろ苦さです。 この苦味は、同じキク科のレタスに含まれる「ラクチュコピクリン」という成分によるもので、見た目が似ているキャベツの香りや甘みとは異なります。 葉は紫キャベツほど硬くなく、薄くて柔らかい食感も特徴の一つです。 この独特の苦味と柔らかな食感が、料理に深みとアクセントを与えてくれます。

チコリやアンディーブとの違い

トレビスは「チコリの一種」と説明されることが多いですが、スーパーで「チコリ」や「アンディーブ」として売られているものとは少し見た目が異なります。 これらはすべてキク科キクニガナ属の仲間ですが、栽培方法や食べる部分に違いがあります。

一般的に「チコリ」や「アンディーブ」として知られているのは、白くて先端が黄色い、舟形をしたものです。これは、一度畑で育てたチコリの根株を暗い場所で軟白栽培(光を当てずに育てること)して、新しく出てきた芽を食べます。

一方、トレビスはキャベツのように畑で結球(葉が重なり合って球状になること)させて育てるのが一般的です。 ですから、見た目は丸く、葉も一枚一枚はがして使うことができます。つまり、同じチコリの仲間でありながら、栽培方法の違いによって、見た目や食感が異なる野菜になっているのです。

トレビスの主な栄養素と期待できる効果

トレビスはその美しい色合いだけでなく、栄養面でも注目したい野菜です。特に豊富なのが、体内の余分なナトリウムを排出し、塩分の摂りすぎを調節する働きがある「カリウム」です。

また、鮮やかな赤紫色の正体は、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」という色素成分です。 アントシアニンには強い抗酸化作用があり、生活習慣病の原因となる活性酸素の働きを抑える効果や、老化の予防にも役立つと言われています。

その他にも、エネルギー代謝を助けるビタミンB2や、食物繊維、葉酸などをバランス良く含んでいます。 美容や健康維持に嬉しい効果が期待できる栄養素が含まれているのも、トレビスの魅力の一つと言えるでしょう。

美味しいトレビスの選び方と保存方法

せっかくトレビスを料理に使うなら、新鮮で美味しいものを選びたいですよね。選ぶ際のポイントは、まず葉の色が鮮やかで、みずみずしいものを選ぶことです。 全体がきれいな球形で、持った時にずっしりと重みを感じるものが良品です。 鮮度が落ちてくると、葉が乾燥してカサカサした感じになり、軽くなってきますので避けましょう。 また、切り口が変色していないかもチェックするポイントです。

トレビスは乾燥に弱いデリケートな野菜なので、保存には少し注意が必要です。 購入後は、乾燥を防ぐためにラップでぴったりと包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。 この方法で、5日から1週間程度は新鮮さを保つことができます。 カットしたものは、密閉できる容器や袋に入れて冷蔵庫で保存し、2〜3日中に使い切るようにしましょう。

トレビスレシピの基本!苦味を和らげる下ごしらえ

トレビスの魅力であるほろ苦さですが、時には「少し苦すぎるかも」と感じることもあるかもしれません。ここでは、その苦味を上手にコントロールし、より美味しく食べるための下ごしらえのコツをご紹介します。いくつかの簡単なテクニックを知っておくだけで、トレビス料理の幅がぐっと広がります。

水にさらして苦味を抜く方法

トレビスの苦味を和らげる最も簡単な方法は、冷水にさらすことです。 レタス類のアク抜きと同じ要領で、食べやすい大きさにちぎったトレビスをボウルに入れ、たっぷりの冷水に10分〜30分ほど浸しておきます。 こうすることで、苦味成分の一部が水に溶け出し、マイルドな味わいになります。

さらに、水にさらすことで葉がシャキッとし、みずみずしい食感になるというメリットもあります。 サラダなど生で食べる際には特におすすめの方法です。ただし、長時間さらしすぎると水っぽくなったり、栄養が流れ出てしまったりする可能性もあるので、時間は調整してください。水から上げたら、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取ってから調理に使いましょう。

手でちぎるのがおすすめ

トレビスを調理する際、特にサラダなどで生食する場合には、包丁を使わずに手でちぎることをおすすめします。 レタスと同様に、トレビスも包丁などの金属で切ると、その切り口の細胞が空気に触れて酸化しやすくなります。 この酸化が、苦味を強く感じさせる原因の一つになったり、切り口が茶色く変色してしまったりすることがあります。

手でちぎることで、細胞の破壊を最小限に抑え、苦味の増加や変色を防ぐことができます。 また、ちぎった断面は不規則になるため、ドレッシングなどの味が絡みやすくなるという利点もあります。 葉の柔らかい部分と、シャキッとした葉脈の部分が一口で楽しめるように、縦方向に意識してちぎると、食感のコントラストも楽しめます。

加熱調理で甘みを引き出すコツ

トレビスは加熱すると苦味が増すという特徴がありますが、これは調理法によります。 例えば、さっと炒めたりグリルしたりするなど、短時間で火を通す調理法は、苦味を心地よいアクセントとして楽しむのに向いています。

一方で、じっくりと火を通すことで、トレビスが持つ本来の甘みを引き出すことも可能です。例えば、オリーブオイルでくし形に切ったトレビスをじっくりとソテーしたり、オーブンでローストしたりすると、苦味が和らぎ、とろりとした食感と甘みが生まれます。

また、イタリアでは定番のリゾットやパスタのソースとして煮込むのも良い方法です。 生クリームやチーズなどの乳製品、あるいはベーコンのような旨味のある食材と一緒に調理することで、苦味がまろやかになり、料理全体に深いコクと風味を与えてくれます。加熱時間を調整することで、好みの苦味と甘みのバランスを見つけるのも楽しいでしょう。

【生で楽しむ】トレビスの定番サラダレシピ

トレビスの鮮やかな色合いとほろ苦さをダイレクトに楽しむなら、やはりサラダが一番です。ここでは、シンプルながらもトレビスの魅力を最大限に引き出す、定番のサラダレシピをいくつかご紹介します。ドレッシングや組み合わせる食材を工夫することで、バリエーションは無限に広がります。

シンプルなグリーンサラダ

まずは、トレビス本来の味をシンプルに味わうグリーンサラダから試してみましょう。トレビスを主役に、グリーンリーフやサニーレタス、ルッコラなど、お好みの葉野菜と組み合わせるだけです。 トレビスの赤紫色が加わるだけで、いつものグリーンサラダが一気におしゃれな一皿に変身します。

ドレッシングは、酸味のあるものがトレビスの苦味と相性抜群です。 オリーブオイル、白ワインビネガー(またはレモン汁)、塩、こしょうを混ぜ合わせたシンプルなフレンチドレッシングがおすすめです。 粒マスタードを少し加えると、さらに風味が引き立ちます。食べる直前にドレッシングと和えるのが、野菜のシャキシャキ感を保つポイントです。このシンプルなサラダは、肉料理や魚料理の付け合わせにもぴったりです。

オレンジとナッツの彩りサラダ

トレビスのほろ苦さは、フルーツの甘酸っぱさと非常に良い相性を見せます。特におすすめなのが、オレンジを使った彩り豊かなサラダです。 トレビスを食べやすい大きさにちぎり、薄皮をむいたオレンジの果肉、そして食感のアクセントにローストしたクルミやアーモンドなどのナッツを加えます。

ドレッシングは、オレンジの果汁を少し絞り、オリーブオイル、はちみつ、塩、こしょうを混ぜて作ると、全体の味がまとまります。トレビスの苦味、オレンジの甘酸っぱさ、ナッツの香ばしさが口の中で一体となり、レストランで出てくるような本格的な味わいが楽しめます。見た目も華やかなので、おもてなしやパーティーの一品としても喜ばれること間違いなしです。

生ハムとチーズのイタリアンサラダ

トレビスはイタリア料理でよく使われる食材だけあって、生ハムやチーズとの相性も抜群です。 塩気のある生ハムと、コクのあるパルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズを合わせることで、トレビスの苦味が引き立てられ、絶妙な味のバランスが生まれます。

作り方は簡単で、ちぎったトレビスに、食べやすく切った生ハムを乗せ、スライスまたは削ったパルミジャーノ・レッジャーノを散らすだけです。ドレッシングは、上質なエクストラバージンオリーブオイルと、粗挽きの黒こしょうをかけるだけで十分美味しくいただけます。お好みでバルサミコ酢を少し加えても良いでしょう。ワインのお供にも最適な、少し大人の味わいのサラダです。

ツナと合わせたデリ風サラダ

お子様から大人まで楽しめる、デリ(お惣菜)風のサラダもおすすめです。ツナの旨味とマヨネーズのコクが、トレビスの苦味をマイルドにしてくれるので、トレビス初心者の方でも食べやすい一品です。

トレビスは太めの千切りにし、軽く塩もみして5分ほど置き、しんなりさせてから水気を絞ります。 こうすることで苦味が和らぎ、味も馴染みやすくなります。そこに油を切ったツナ缶、マヨネーズ、ヨーグルト、塩こしょう、お好みで少々のはちみつやレモン汁を加えて和えれば完成です。 りんごの千切りやコーンを加えると、さらに彩りと食感が豊かになります。サンドイッチの具材にするのも美味しい食べ方です。

【加熱して美味しい】トレビスの温かいレシピ

トレビスは生のサラダで食べるイメージが強いかもしれませんが、実は加熱しても非常に美味しい野菜です。火を通すことで苦味が変化し、甘みや香ばしさが引き出されます。ここでは、トレビスを使った温かい料理のレシピをご紹介します。いつもの料理に加えるだけで、新しい味わいを発見できますよ。

ベーコンと炒めるだけの簡単ソテー

手軽に試せる加熱レシピとしてまずおすすめなのが、ベーコンとのソテーです。 ベーコンの塩気と旨味、そして炒めることで出てくる脂がトレビスによく絡み、苦味をまろやかにしてくれます。ニンニクの香りを移したオリーブオイルでベーコンを炒め、そこにざく切りにしたトレビスを加えてさっと炒め合わせるだけ。

ポイントは、トレビスを炒めすぎないこと。シャキシャキとした食感が少し残るくらいで火から下ろすと、美味しく仕上がります。仕上げに黒こしょうをたっぷり振ると、全体の味が引き締まります。パンにもご飯にも合うおかずになりますし、お酒のおつまみとしても最適です。きのこ類を一緒に加えても、旨味が増して美味しくなります。

パスタやリゾットの具材として

トレビスの産地イタリアでは、パスタやリゾットの具材として使うのが定番です。 トレビスを加熱すると、その美しい赤紫色がソースに溶け出し、料理全体をきれいなピンク色に染め上げてくれます。

例えば、クリームソースのパスタに、炒めたトレビスとベーコンやソーセージを加えてみましょう。トレビスのほろ苦さがクリームの濃厚さを引き立て、飽きのこない味わいになります。リゾットにする場合は、玉ねぎと一緒にトレビスを炒めてからお米を加え、ブイヨンで炊き上げていきます。仕上げにパルメザンチーズをたっぷり加えるのが本場のスタイルです。 苦味がコクと深みに変わり、本格的なイタリアンの味を楽しむことができます。

オーブンでじっくり焼くグリル

オーブンでじっくりと火を通すグリルも、トレビスの新たな魅力を発見できる調理法です。くし形にカットしたトレビスに、オリーブオイル、塩、こしょう、お好みのハーブ(ローズマリーやタイムなど)を絡めて、オーブンで焼き色がつくまで焼くだけ。

じっくりと加熱することで、トレビスの苦味が和らぎ、甘みと香ばしさが凝縮されます。外側の葉は少しカリッと、内側はとろりとした食感になり、そのコントラストも楽しめます。焼き上がりにバルサミコクリームや粉チーズをかけると、より一層美味しくいただけます。肉料理の付け合わせにすると、見た目も豪華になり、おもてなし料理としても活躍します。

スープのアクセントに加える

いつものスープにトレビスを加えるだけで、彩りと風味のアクセントになります。例えば、コンソメスープやミネストローネに、細切りにしたトレビスを仕上げに加えるのがおすすめです。

長時間煮込むと色が褪せてしまう可能性があるので、火を止める直前か、器に注いでから加えるのがポイントです。スープの熱で少ししんなりとしたトレビスが、ほろ苦いアクセントとなり、スープの味わいを一層引き立ててくれます。また、ポタージュスープの上に、細かく刻んだ生のトレビスを散らすのも、彩りと食感のアクセントになっておすすめです。

ちょっと意外なトレビスのアレンジレシピ

サラダや洋風の加熱料理が定番のトレビスですが、実は和風の味付けや保存食としても活用できる、意外な一面を持っています。ここでは、いつもの食卓に新しい風を吹き込む、トレビスの少し変わったアレンジレシピをご紹介します。その万能さに驚くかもしれません。

和風の味付けで楽しむおひたし

トレビスのほろ苦さは、日本の「春菊」や「ふき」のような山菜の苦味にも通じるものがあります。そこで試してみたいのが、和風だしを使った「おひたし」です。意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、だしの優しい旨味がトレビスの苦味を上品に包み込み、さっぱりとした箸休めにぴったりの一品になります。

作り方は、さっと茹でるか、電子レンジで軽く加熱してしんなりさせたトレビスを冷水に取り、水気をしっかり絞ります。あとは、だし汁、醤油、みりんを合わせた漬け地に浸すだけ。半日ほど置くと味が馴染んで美味しくなります。仕上げにかつお節をかければ、風味もアップ。トレビスの新たな可能性を感じられる、大人向けの和え物です。

ピクルスやマリネにして常備菜に

トレビスの鮮やかな色とシャキシャキ感を活かして、ピクルスやマリネにするのもおすすめです。 一度作っておけば冷蔵庫で数日間保存できるので、常備菜として重宝します。食卓にもう一品彩りが欲しい時や、お弁当の隙間埋めにも役立ちます。

ピクルスにする場合は、お酢、水、砂糖、塩、お好みのスパイス(ローリエ、粒こしょう、唐辛子など)を一度沸騰させてピクルス液を作り、熱いうちに瓶に入れたトレビスに注ぎます。マリネの場合は、オリーブオイル、白ワインビネガー、刻んだニンニク、塩こしょうなどで作ったマリネ液に、生のままのトレビスを和えるだけ。 玉ねぎのスライスや人参の千切りなどを加えても美味しく、彩りも豊かになります。

天ぷらやフリットでサクサク食感に

葉物野菜の天ぷらは定番ですが、トレビスも揚げ物にすると意外な美味しさを発揮します。衣をつけて揚げることで、外側はサクサク、中は熱で少ししんなりとした独特の食感が楽しめます。加熱されることで苦味が少し和らぎ、風味豊かな味わいになります。

天ぷらにする場合は、一枚ずつ葉を剥がして、薄く衣をつけてカラリと揚げます。塩や天つゆでシンプルにいただくのがおすすめです。洋風にフリットにするなら、ビールや炭酸水を加えた衣で揚げると、よりサクッとした軽い食感に仕上がります。おつまみとしても喜ばれる一品で、トレビスの新しい食べ方としてぜひ挑戦してみてください。

まとめ:トレビスのレシピをマスターして食卓を豊かに

この記事では、トレビスという魅力的な野菜について、その基本情報から下ごしらえのコツ、そしてサラダから加熱料理、さらには意外な和風アレンジまで、様々なレシピをご紹介しました。

鮮やかな赤紫色とほろ苦さが特徴のトレビスは、見た目が美しいだけでなく、カリウムやアントシアニンなどの栄養も含まれています。 生でサラダにすればシャキシャキとした食感と爽やかな苦味を楽しめ、加熱すれば甘みとコクが引き出されるなど、調理法次第で様々な表情を見せてくれる万能野菜です。 苦味が苦手な方も、水にさらしたり、乳製品や甘みのある食材と組み合わせたりすることで、美味しく食べることができます。

これまでレストランでしか味わう機会がなかった方も、ぜひこの記事を参考に、ご家庭でトレビス料理に挑戦してみてください。いつもの食卓が、きっとより華やかで豊かなものになるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました