離乳食後期(9〜11ヶ月頃)になると、赤ちゃんが食べられる食材の幅がぐっと広がりますよね。中でも「パスタ」は、大人用のメニューから取り分けやすく、アレンジも豊富なので離乳食に便利な食材です。
しかし、いざ始めようとすると「いつからあげていいの?」「どんなパスタを選べばいい?」「茹で方や味付けはどうしたら?」など、たくさんの疑問が浮かぶのではないでしょうか。この記事では、離乳食後期にパスタを始める際の基本的な進め方から、調理のコツ、アレルギーの注意点、そして管理栄養士が監修したおすすめレシピまで、わかりやすく丁寧に解説します。この記事を読めば、きっと安心して離fug食にパスタを取り入れられるようになりますよ。
パスタは離乳食後期(9〜11ヶ月)から!始める前のチェックリスト

離乳食にパスタを取り入れられるようになるのは、一般的に離乳食後期(カミカミ期)と呼ばれる生後9〜11ヶ月頃が目安です。ただし、パスタはうどんやそうめんに比べて弾力があるため、赤ちゃんの食べる様子を見ながら慎重に進めることが大切です。 ここでは、パスタを始める前に確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
離乳食後期(カミカミ期)はどんな時期?
離乳食後期は、歯ぐきで食べ物をつぶせるようになり、「カミカミ」する練習を本格的に始める時期です。舌と上あごで食べ物をつぶしていた中期(モグモグ期)から一歩進んで、食べ物を左右の歯ぐきに送って噛む動きを覚えます。
この時期の赤ちゃんは、手づかみ食べにも興味を持ち始め、自分で食べる意欲がぐんと高まります。パスタの中でも、マカロニのようなショートパスタは手づかみ食べの練習にぴったりです。
【離乳食後期の赤ちゃんの主な発達の目安】
- 1日3回食になり、食欲に応じて授乳やミルクを足す
 - 舌で食べ物を左右の歯ぐきに運び、噛みつぶすことができる
 - バナナくらいの固さのものを歯ぐきで噛める
 - 指先で食べ物をつまめるようになり、手づかみ食べが始まる
 
ただし、発達には個人差があるため、まだうまくカミカミできないようなら、無理にパスタを始める必要はありません。 赤ちゃんのペースに合わせて、うどんやそうめんなど、より柔らかい麺類に慣れてから挑戦するのがおすすめです。
小麦アレルギーの確認は済んでいますか?
パスタの主な原材料は小麦です。小麦は、食物アレルギーの原因となることがあるため、初めて与える際には注意が必要です。
パスタを始める前に、必ずうどんやパンがゆなど、他の小麦製品を試してアレルギー反応が出ないことを確認しておきましょう。 もし、まだ小麦製品を試したことがない場合は、以下の点に注意して少量から始めてください。
- 初めて与える日を選ぶ: 万が一アレルギー症状が出た場合に備え、すぐに病院を受診できる平日の午前中に試しましょう。
 - 他の食材と混ぜない: 初めての食材は、単独で与えるのが基本です。アレルギーの原因を特定しやすくするためです。
 - ごく少量からスタート: 赤ちゃん用スプーン1さじから始め、食べた後は赤ちゃんの様子(口の周りや体に発疹が出ていないか、機嫌は悪くないかなど)をよく観察してください。
 - アレルギーが心配な場合: アトピー性皮膚炎があるなど、アレルギーのリスクが気になる場合は、かかりつけの医師に相談してから進めましょう。
 
すでに他の小麦製品でアレルギーがないことが分かっていても、体調が悪い日に新しい食材を試すのは避けましょう。
まずはベビー用のパスタから試してみよう
離乳食用のパスタを選ぶ際は、ベビー用として販売されているものが安心です。ベビー用のパスタには、以下のようなメリットがあります。
- 食塩不使用: 大人用のパスタは製造過程で塩分が使われていることが多いですが、ベビー用は食塩不使用のものがほとんどです。
 - 短いカット: あらかじめ1〜2cm程度の短さにカットされているため、調理の手間が省けます。
 - 茹で時間が短い: 短時間で柔らかく茹で上がるように作られています。
 
もちろん、大人用のパスタを使うことも可能です。その場合は、原材料が「デュラム小麦のセモリナ」など、小麦と水だけで作られているシンプルなものを選びましょう。 卵が含まれている製品もあるため、アレルギーが心配な場合は原材料表示をよく確認してください。 そうめんのように細い「カッペリーニ」は、大人用のパスタの中でも比較的柔らかくなりやすく、離乳食中期頃からでも使いやすいでしょう。
離乳食パスタの基本的な調理方法

パスタを離乳食として調理する際には、大人用とは少し異なるポイントがあります。赤ちゃんの安全と食べやすさを第一に考えた、下ごしらえのコツを詳しく見ていきましょう。
パスタの種類と選び方のポイント
離乳食で使いやすいパスタには、いくつかの種類があります。赤ちゃんの月齢や食べる様子に合わせて選びましょう。
| パスタの種類 | 特徴 | おすすめの時期 | 
|---|---|---|
| スパゲッティ | 最も一般的なロングパスタ。茹でる前に手で短く折って使う。 | 離乳中期〜 | 
| カッペリーニ | そうめんのように細いロングパスタ。短時間で柔らかくなる。 | 離乳中期〜 | 
| マカロニ | 短い筒状のショートパスタ。手づかみ食べに適している。 | 離乳後期〜 | 
| フジッリ | 螺旋状のショートパスタ。ソースが絡みやすい。 | 離乳後期〜 | 
大人用の乾麺を使う場合は、塩分を添加せずに作られた製品を選ぶのが理想です。難しい場合は、茹でた後に水でさっと洗うことで、表面の塩分をある程度取り除くことができます。
赤ちゃんが食べやすい茹で加減と固さの目安
離乳食用のパスタは、大人が食べる時よりもずっと柔らかく茹でるのが基本です。
茹で時間の目安は、袋の表示時間の約2倍です。 例えば、表示時間が7分のパスタなら、14分以上茹でるイメージです。さらに、火を止めた後、茹で汁にしばらく浸しておくと、より柔らかくなります。
固さの目安は、指で簡単につぶせるくらいです。茹で上がったら一本取り出して、実際に指でつぶして確認してみましょう。
【茹で方のポイント】
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かす(塩は入れない)。
 - パスタを入れ、袋の表示時間の2倍を目安に、柔らかくなるまで茹でる。
 - ザルにあげて水気を切り、水でさっと洗ってぬめりと塩分を落とす。
 
喉に詰まらせない!安全なパスタの刻み方
茹で上がったパスタは、赤ちゃんが安全に飲み込めるように、細かく刻む必要があります。喉に詰まらせる事故を防ぐためにも、必ず月齢に合った大きさにカットしましょう。
- 離乳食中期(7〜8ヶ月頃): 2〜3mm程度に細かく刻む。
 - 離乳食後期(9〜11ヶ月頃): 5mm〜1cm程度に刻む。
 - 離乳食完了期(1歳〜1歳半頃): 2〜3cm程度の長さにする。
 
スパゲッティのような長いパスタは、茹でる前に手でポキポキと1〜2cmの長さに折っておくと、茹で上がった後に刻む手間が省けて便利です。
便利な冷凍ストック術!時間がない日の味方
パスタは一度にたくさん茹でて冷凍保存しておくと、忙しい時にとても便利です。 ソースも一緒に冷凍ストックしておけば、温めるだけですぐに一食が完成します。
【パスタの冷凍方法】
- 柔らかく茹でて、月齢に合わせた長さに刻む。
 - 1食分ずつ小分けにして、ラップでぴったりと包む。
 - 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じる。
 - 金属製のトレーなどに乗せて、急速冷凍する。
 
ソースも同様に、製氷皿などで1食分ずつ小分けにして冷凍しておくと、量の調節がしやすく便利です。
離乳食後期のパスタ、味付けはどうする?
離乳食後期の味付けは、食材そのものの味を活かすのが基本です。大人と同じ調味料を使う場合でも、ごく少量にとどめ、赤ちゃんの腎臓に負担をかけないように配慮しましょう。ここでは、赤ちゃんが喜ぶパスタの味付けアイデアをいくつかご紹介します。
基本は素材の味を活かした薄味で
まずは、野菜スープや昆布だしなど、素材の旨味をベースにした味付けから始めましょう。野菜をたっぷり使って煮込んだスープと和えるだけでも、赤ちゃんにとっては十分美味しい一品になります。
慣れてきたら、風味付け程度にごく少量の調味料を使ってみましょう。
- 醤油・味噌: 風味付けに数滴たらす程度。減塩タイプを選ぶとより安心です。
 - トマトケチャップ: 少量でも味がつきやすいので、ごく少量から。
 - コンソメ・鶏がらスープの素: ベビー用のものか、無添加のものを選びましょう。
 
バターや油を使う場合は、風味付けに少量加える程度にし、無塩バターや植物性のオイル(オリーブオイルなど)を選ぶのがおすすめです。
トマト系ソース(ナポリタン風)の作り方
赤ちゃんが大好きなナポリタン風のパスタも、ひと工夫すれば離乳食後期から楽しめます。大人用のケチャップは塩分や糖分が多いため、湯むきした生のトマトを潰して使うのがおすすめです。
【簡単トマトソースの作り方】
- 完熟トマトはヘタを取り、皮に十字の切り込みを入れて熱湯にさっと通し、冷水にとって皮をむく(湯むき)。
 - 種を取り除き、細かく刻むか、すりつぶす。
 - 玉ねぎやにんじんなど、みじん切りにした野菜と一緒に、少量の水や野菜スープで柔らかくなるまで煮込む。
 - ツナ(水煮)や鶏ささみなどを加えると、タンパク質も一緒に摂れます。
 
もしトマトケチャップを使う場合は、ごく少量にし、野菜スープなどで薄めて使いましょう。
牛乳・豆乳を使ったクリーム系ソースの作り方
牛乳は、離乳食後期から調理に使用できます。牛乳や豆乳を使えば、まろやかで優しい味のクリームパスタが作れます。
【基本のホワイトソース】
- 耐熱容器に片栗粉(または米粉)と牛乳(または豆乳、育児用ミルク)を入れ、ダマにならないようによく混ぜる。
 - ラップをせずに電子レンジで数十秒ずつ加熱し、その都度よくかき混ぜる。とろみがついたら完成。
 
この基本のソースに、茹でて細かく刻んだほうれん草やブロッコリー、しらすなどを加えるだけで、栄養満点のクリームパスタになります。チーズを加える場合は、塩分の少ないカッテージチーズなどがおすすめです。
意外と人気!きな粉や青のりで和風アレンジ
いつもと少し違った味付けにしたい時は、和風の食材も活用できます。
- きな粉: 茹でたパスタにまぶすだけ。きな粉の自然な甘みが赤ちゃんに人気です。タンパク質や食物繊維も補給できます。
 - 青のり・ごま: 磯の香りが食欲をそそります。
 - 納豆: ひきわり納豆を使い、だしでのばして和えるのがおすすめです。
 - しらす: 塩抜きしたしらすと、細かく刻んだ野菜を一緒にだしで煮て、パスタと和えます。
 
これらの食材は、手軽に栄養価をアップできるのも嬉しいポイントです。
市販のベビーフードソースを活用するのもおすすめ
「ソースを手作りする時間がない!」という時は、市販のベビーフードに頼るのも一つの方法です。月齢に合わせたパスタ用のソースがたくさん販売されているので、上手に活用しましょう。
ベビーフードを選ぶ際は、
- 対象月齢を確認する
 - アレルギー物質が含まれていないか、原材料表示をチェックする
 - 着色料や保存料などが使われていない、なるべくシンプルなものを選ぶ
 
といった点に気をつけると良いでしょう。お出かけの時などにも便利なので、いくつかストックしておくと安心です。
離乳食後期のおすすめパスタレシピ

ここでは、離乳食後期(9〜11ヶ月頃)の赤ちゃんにおすすめの、栄養バランスも考えられたパスタレシピを3つご紹介します。 大人の食事からの取り分けアイデアも参考にしてみてください。
【手づかみ食べにも】鶏ささみと野菜のトマトパスタ
彩りも豊かで、食欲をそそる一品です。マカロニなどショートパスタを使えば、手づかみ食べの練習にもなります。
【材料(1食分)】
- パスタ(乾麺):20〜30g
 - 鶏ささみ:15g
 - トマト:30g(中1/8個程度)
 - 玉ねぎ:10g
 - にんじん:10g
 - 野菜スープ(または水):50ml
 
【作り方】
- パスタは表示時間より長く茹で、1cm程度の長さに刻む。
 - 鶏ささみは筋を取り、茹でて細かくほぐす。
 - トマトは湯むきして種を取り、細かく刻む。玉ねぎ、にんじんはみじん切りにする。
 - 小鍋に野菜スープと3の野菜を入れ、柔らかくなるまで煮る。
 - 4に鶏ささみと1のパスタを加えて混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせる。
 
赤ちゃん用を取り分けた後、鍋に残ったソースにコンソメ、塩、こしょう、ケチャップなどを加えて味を調えれば、大人用のパスタソースになります。
【鉄分補給】ほうれん草とツナのクリームパスタ
不足しがちな鉄分を補える、ほうれん草とツナを使ったレシピです。 ホワイトソースの優しい甘さが赤ちゃんに人気です。
【材料(1食分)】
- パスタ(乾麺):20〜30g
 - ほうれん草(葉先):10g
 - ツナ(水煮缶):10g
 - 牛乳(または育児用ミルク):大さじ3
 - 片栗粉:小さじ1/4
 
【作り方】
- パスタは表示時間より長く茹で、1cm程度の長さに刻む。
 - ほうれん草は柔らかく茹でてアク抜きをし、細かく刻む。
 - ツナは水気を切って軽くほぐす。
 - 耐熱容器に牛乳と片栗粉を入れてよく混ぜ、電子レンジで20秒ほど加熱して混ぜる。とろみがつくまで数回繰り返す。
 - 4にパスタ、ほうれん草、ツナを加えてよく和える。
 
【和風味】しらすと納豆の和風だしパスタ
意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、栄養満点で赤ちゃんも食べやすい人気の和風パスタです。
【材料(1食分)】
- パスタ(乾麺):20〜30g
 - しらす干し:5g
 - ひきわり納豆:10g
 - 昆布だし:大さじ2
 - お好みで青のり:少々
 
【作り方】
- パスタは表示時間より長く茹で、1cm程度の長さに刻む。
 - しらす干しは熱湯をかけて塩抜きをする。
 - ひきわり納豆は、付属のタレは使わずに昆布だしと混ぜ合わせておく。
 - ボウルに全ての材料を入れ、よく混ぜ合わせる。お好みで青のりをふる。
 
離乳食後期にパスタをあげる際のQ&A
最後に、離乳食のパスタに関してよくある質問にお答えします。
1回の量はどのくらいが目安?
離乳食後期の主食の目安量は、全がゆ90g〜軟飯80g程度です。パスタを与える場合は、これを参考に量を調整します。
| 時期 | 乾麺の状態 | 茹でた状態 | 
|---|---|---|
| 離乳食後期 (9〜11ヶ月) | 25〜30g | 60〜80g | 
(出典:複数の検索結果 を基に作成)
これはあくまで目安なので、赤ちゃんの食欲や食べる様子に合わせて調整してあげてください。パスタだけでなく、野菜やタンパク質源となる食材を組み合わせて、栄養バランスの良い一皿にしてあげることが大切です。
パスタの塩分が気になります…
大人用のパスタには、製造過程で塩分が含まれているものがあります。赤ちゃんにあげる場合は、塩分を極力控えることが重要です。
対策として、まずベビー用の食塩不使用パスタを選ぶのが最も簡単で安心です。
大人用のパスタを使う場合は、
- 塩を入れずに茹でる
 - 茹で上がった後に、流水でさっと洗い流す
ことで、表面の塩分を減らすことができます。特に離乳食期は、赤ちゃんの腎臓に負担をかけないよう、薄味を心がけましょう。 
手づかみ食べさせてもいい?
はい、離乳食後期は手づかみ食べを促したい時期なので、ぜひ挑戦させてあげてください。
手づかみ食べには、
- マカロニやフジッリなどのショートパスタ
 - 茹でたパスタと野菜、片栗粉などを混ぜて焼いた「おやき」
などがおすすめです。 
初めは上手に口に運べなかったり、散らかしてしまったりするかもしれませんが、これも大切な成長の過程です。赤ちゃんが「自分で食べたい」という意欲を育むために、温かく見守ってあげましょう。汚れても良いように、床に新聞紙やシートを敷いておくと、後片付けが楽になりますよ。
まとめ:離乳食後期のパスタはポイントを押さえて楽しく進めよう

この記事では、離乳食後期のパスタの進め方について、調理の基本からレシピ、注意点まで詳しく解説しました。
- パスタは離乳食後期(9〜11ヶ月頃)から。 必ず小麦アレルギーの確認を済ませてから始めましょう。
 - ベビー用パスタがおすすめ。 大人用を使う場合は、塩分不使用のものを選び、表示の2倍時間を目安に、指で潰せるくらい柔らかく茹でます。
 - 大きさは5mm〜1cmが目安。 赤ちゃんの喉に詰まらないよう、月齢に合わせて刻みましょう。
 - 味付けは素材の味を活かした薄味で。 トマトや牛乳、きな粉など、アレンジ次第で味のバリエーションが広がります。
 - 冷凍ストックが便利。 茹でたパスタやソースを冷凍しておくと、忙しい時に役立ちます。
 
パスタは、手軽に作れて栄養も摂れる、離乳食の強い味方です。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ赤ちゃんと一緒にパスタメニューを楽しんでみてくださいね。

  
  
  
  

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