忙しい日の味方になってくれる「作り置き」。中でもパスタは手軽で人気ですが、「いざ食べようとしたら、麺が伸びて美味しくなかった…」という経験はありませんか?せっかく作ったのに、がっかりしてしまいますよね。でも、諦めるのはまだ早いです。実は、いくつかの簡単なコツさえ押さえれば、作り置きのパスタもまるで出来立てのように美味しく食べられるんです。
この記事では、パスタの作り置きで伸びないための秘訣を、茹で方の基本から徹底的に解説します。伸びてしまう原因を理解し、正しい茹で方、冷まし方、そしてオイルでのコーティング術をマスターしましょう。さらに、作り置きに最適なパスタの種類やソースの選び方、正しい保存方法や温め直しのテクニックまで、知りたい情報をぎゅっと詰め込みました。この記事を読めば、もう作り置きパスタで失敗することはありません。いつでも手軽に、美味しいパスタを楽しめるようになりますよ。
パスタの作り置きが伸びない!基本のコツと茹で方の秘訣
作り置きパスタが美味しくないと感じる最大の原因は、やはり「麺が伸びてしまう」こと。この問題を解決することが、美味しい作り置きへの第一歩です。なぜパスタは時間をおくと伸びてしまうのでしょうか。その原因と、それを防ぐための基本的な茹で方のコツをご紹介します。
伸びる原因は「水分」と「デンプン」
パスタが伸びる、つまり食感がブヨブヨになってしまう主な原因は、パスタの主成分であるデンプンが水分を過剰に吸ってしまうことにあります。パスタを茹でるという行為は、デンプンに熱と水を加えて、美味しく食べられる状態にすること(これを「糊化(こか)」と言います)です。しかし、茹でた後もパスタは空気中やソースの水分を吸収し続け、糊化が進みすぎてしまうのです。お米を長時間水に浸しておくとふやけてしまうのと同じ原理ですね。
特に、茹で上がったパスタをそのまま放置したり、水分の多いソースと長時間和えておいたりすると、どんどん水分を吸ってしまいます。その結果、麺の表面が溶け出してベタベタになったり、コシが失われてしまったりするのです。作り置きでパスタが伸びないようにするためには、この「水分の吸収」をいかにコントロールするかが重要になります。これからご紹介する茹で方や保存方法は、すべてこの水分のコントロールに基づいたテクニックです。原因を理解することで、なぜそのひと手間が必要なのかが分かり、より確実に美味しい作り置きパスタが作れるようになりますよ。
茹で時間は「アルデンテ」よりさらに固めに
作り置きパスタを伸びないように仕上げるための最も重要なポイントは、茹で時間にあります。基本は、パスタの袋に表示されている標準の茹で時間よりも1分〜2分短く茹でることです。いわゆる「アルデンテ(歯ごたえが残る状態)」よりも、さらに芯がしっかりと残っている状態で引き上げるのが理想です。
なぜなら、作り置きしたパスタは、食べる時に必ず再加熱するからです。冷蔵や冷凍で保存している間にパスタは余熱やソースの水分で少しずつ柔らかくなりますし、電子レンジやフライパンで温め直す際の加熱によっても、さらに火が通ります。そのため、最初に茹でる段階でジャストの硬さにしてしまうと、食べる頃には茹ですぎの状態になってしまうのです。
この「固めに茹でる」というひと手間が、食べる時の最高の食感に繋がります。最初は少し勇気がいるかもしれませんが、思い切って早めに引き上げるのが成功の秘訣。このひと手間をかけるだけで、温め直した後のパスタの食感が劇的に変わるのを実感できるはずです。
茹で上がりのひと手間!オイルコーティングが重要
固めに茹で上げたパスタをザルにあけたら、すぐに次のステップに移りましょう。それは、オイルでパスタの表面をコーティングすることです。この工程は、パスタが伸びるのを防ぐ上で非常に効果的です。オイルがパスタ一本一本を包み込むことで、乾燥を防ぎつつ、余分な水分を吸収するのをブロックしてくれるバリアの役割を果たします。
使用するオイルは、オリーブオイルが最も一般的でおすすめです。風味も良く、様々なソースと相性が良いからです。もしバターを使うソースであれば、茹で上がりにバターを絡めるのも良いでしょう。オイルの量は、パスタ100gに対して大さじ1杯程度が目安です。多すぎると油っぽくなってしまうので注意してください。ボウルに入れたパスタにオイルを回しかけ、トングや菜箸で手早く全体に絡めます。この時、パスタ同士がくっつくのも防いでくれるので、一石二鳥の効果があります。
このオイルコーティングをするかしないかで、数時間後のパスタの状態に大きな差が出ます。特にソースと和えずに麺だけを保存しておく場合には必須の工程です。簡単ながら絶大な効果を発揮するテクニックなので、絶対に忘れないようにしましょう。
冷水で締めるのはNG?正しい冷まし方
茹で上がったパスタを急いで冷まそうとして、うどんやそうめんのように冷水で締めてしまうのは、実は作り置きパスタにとってはNGです。冷水で洗うと、パスタの表面についたデンプンが洗い流され、ソースの絡みが悪くなってしまいます。また、急激に冷やすことでパスタが水分を吸い込みやすくなり、かえって伸びる原因になってしまうこともあります。
では、どうやって冷ますのが正解なのでしょうか。最もおすすめなのは、ザルにあげたまま自然に冷ます方法です。バットなどに広げて、パスタ同士が重ならないようにすると、より早く均一に冷ますことができます。この時、うちわなどで軽くあおいで蒸気を飛ばすと、水っぽくなるのを防げます。
オイルコーティングをした後、この「自然冷却」を行うのが理想的な流れです。パスタの粗熱が取れたら、すぐに保存容器に移しましょう。長時間室温に放置すると、雑菌が繁殖する原因にもなるので気をつけてください。もし、どうしても急いで冷ましたい場合は、氷水にさっと10秒ほどくぐらせる程度にとどめ、すぐにザルにあげてしっかりと水気を切ってください。正しい冷まし方をマスターして、美味しい食感をキープしましょう。
作り置きに最適なパスタの種類と選び方
ひとくちにパスタと言っても、その種類は様々です。実は、作り置きに向いているパスタと、あまり向いていないパスタがあります。麺の太さや形状によって、水分を吸収するスピードや食感の保ちやすさが変わってくるからです。ここでは、作り置きパスタを成功させるための、パスタの選び方をご紹介します。
太めのパスタ(スパゲットーニなど)がおすすめ
作り置き用のパスタを選ぶなら、断然太めのパスタがおすすめです。具体的には、スパゲッティ(標準的な太さ、約1.6mm〜1.7mm)よりも太い、スパゲットーニ(約2.0mm〜2.2mm)やリングイネ(楕円形の断面)などが最適です。
太いパスタが作り置きに向いている理由は、その構造にあります。麺が太い分、中心まで火が通るのに時間がかかります。そのため、規定時間より短く茹でた際に、しっかりと芯が残りやすいのです。この「芯」が、保存中や再加熱時に水分を吸収するための「のびしろ」のような役割を果たしてくれます。食べる時に温め直しても、中心部のコシが失われにくく、アルデンテの食感を再現しやすいのが大きなメリットです。
逆に、カッペリーニ(約0.9mm)のような極細のパスタは、すぐに水分を吸ってしまい、あっという間に伸びてしまうため、作り置きには全く向いていません。作り置きを前提にパスタを選ぶ際は、ぜひパッケージに記載されている麺の太さをチェックしてみてください。少し太めのパスタを選ぶだけで、翌日の美味しさが格段にアップしますよ。
ショートパスタ(ペンネ、フジッリなど)は万能選手
スパゲッティのようなロングパスタだけでなく、ペンネやフジッリ、マカロニといったショートパスタも作り置きの強い味方です。むしろ、ロングパスタよりも扱いやすく、失敗が少ないため、作り置き初心者の方には特におすすめです。
ショートパスタは、ロングパスタに比べて表面積が小さく、形状も複雑なため、水分を吸って伸びるスピードが比較的緩やかです。また、茹で上がりにくっつきにくく、オイルコーティングやソースと和える際にもムラなく絡みやすいというメリットがあります。らせん状のフジッリや、溝のあるペンネ・リガーテなどは、ソースがよく絡むので、温め直しても味がぼやけにくいのも嬉しいポイントです。
お弁当に入れるのにも、ショートパスタはぴったりです。フォーク一本で食べやすく、見た目も可愛らしいので、ランチタイムが楽しくなります。サラダパスタやグラタンなど、アレンジの幅が広いのも魅力の一つ。作り置きを頻繁にするのであれば、常備しておくと非常に便利な万能選手と言えるでしょう。
早ゆでタイプや細いパスタは避けるべき?
スーパーでよく見かける「早ゆでタイプ」のパスタ。忙しい時にはとても便利ですが、残念ながら作り置きにはあまり向いていません。早ゆでパスタは、麺に細かい溝や切り込みを入れることで、お湯の浸透を早くし、茹で時間を短縮する仕組みになっています。これは、裏を返せば、それだけ水分を吸収しやすい構造であるということです。
そのため、早ゆでパスタを作り置きすると、保存している間に水分をどんどん吸ってしまい、他のパスタに比べて格段に伸びやすくなります。温め直した時には、コシのないふやけた食感になってしまう可能性が非常に高いです。同様の理由で、前述したカッペリーニやフェデリーニ(約1.4mm)といった細めのロングパスタも、水分を吸収しやすく伸びやすいため、作り置きには避けた方が無難です。
これらのパスタは、あくまで「茹でてすぐに食べる」ことを前提に作られています。作り置きを目的とする場合は、たとえ茹で時間が多少長くかかったとしても、標準的な太さ、あるいはそれ以上の太さのパスタを選ぶことが、最終的な美味しさに繋がります。
生パスタや全粒粉パスタの作り置きは?
もちもちとした食感が魅力の生パスタですが、これも作り置きには不向きなパスタです。生パスタは乾燥パスタよりも元々多くの水分を含んでいるため、非常に伸びやすい性質を持っています。作り置きしてしまうと、特有のもちもち感が失われ、べちゃっとした食感になりがちです。生パスタは、ぜひ出来立ての美味しさを味わってください。
一方、健康志向の方に人気の全粒粉パスタやグルテンフリーパスタはどうでしょうか。これらのパスタは、製品にもよりますが、一般的な乾燥パスタに比べて伸びやすい傾向があります。特に全粒粉パスタは、食物繊維が豊富な分、水分を吸収しやすく、ボソボソとした食感になりやすいです。もし作り置きに挑戦する場合は、通常よりもさらに固めに茹で、オイルコーティングを念入りに行うなどの工夫が必要です。まずは少量で試してみて、ご自身の好みの食感を保てるか確認することをおすすめします。
パスタの種類 | 作り置きの向き | 理由 |
---|---|---|
スパゲットーニ(太麺) | ◎(非常におすすめ) | 芯が残りやすく、再加熱してもコシが保たれやすい。 |
ショートパスタ | ◎(非常におすすめ) | 伸びにくく、扱いやすい。ソースも絡みやすい。 |
スパゲッティ(標準) | 〇(おすすめ) | コツを押さえれば美味しく作れる。 |
細いパスタ(カッペリーニ等) | ×(不向き) | すぐに水分を吸ってしまい、伸びやすい。 |
早ゆでパスタ | ×(不向き) | 水分を吸収しやすい構造のため、非常に伸びやすい。 |
生パスタ | ×(不向き) | 水分量が多く、特有の食感が失われやすい。 |
全粒粉パスタ | △(注意が必要) | 伸びやすく、食感が変わりやすい。工夫が必要。 |
伸びにくい!作り置きパスタにおすすめのソース
パスタの美味しさは、麺とソースの組み合わせで決まります。作り置きの場合、このソース選びも麺が伸びないようにするための重要な要素です。ソースに含まれる水分量や油分が、保存中の麺の状態に大きく影響するからです。ここでは、作り置きと相性の良いソース、少し注意が必要なソースについて解説します。
オイルベースのソース(ペペロンチーノなど)
作り置きパスタに最もおすすめなのが、オイルベースのソースです。代表的なのは、ペペロンチーノや、きのこやベーコンなどをオリーブオイルで炒めただけのシンプルなソースです。
オイルベースのソースが作り置きに向いている最大の理由は、ソース自体の水分量が少ないことです。麺が伸びる原因は水分の吸収なので、その水分が少ないソースであれば、麺が伸びるリスクを最小限に抑えることができます。さらに、ソースに使われているオイルが麺一本一本をコーティングしてくれるため、パスタが乾燥したり、くっついたりするのも防いでくれます。まさに、作り置きのためにあるようなソースと言えるでしょう。
具材も、きのこ類、ベーコン、ソーセージ、ブロッコリーなど、水分が出にくいものがおすすめです。もしトマトや葉物野菜など水分が多い具材を使いたい場合は、ソースと麺を別々に保存し、食べる直前に和えるのがベストです。シンプルな味付けなので、食べる時に粉チーズやタバスコを加えたり、少し醤油を垂らしたりして味変を楽しめるのも魅力ですね。
トマトソースやミートソース
子どもから大人まで大人気のトマトソースやミートソースも、作り置きと比較的相性の良いソースです。これらのソースは、ある程度の水分は含んでいますが、煮詰めることでとろみがつき、水分が麺に急激に吸収されるのを防いでくれます。また、トマトの酸味やひき肉の旨味がしっかりと麺に染み込むので、作り置きすることでかえって味が馴染んで美味しくなるというメリットもあります。
作り置きする際のポイントは、ソースを少し濃いめに、そして固めに作っておくことです。麺と和えて保存すると、麺から多少の水分が出ることを想定し、少し煮詰めて水分を飛ばしておくと、味がぼやけず、麺も伸びにくくなります。
ソースと麺を一緒に保存しても良いですが、より完璧を目指すなら、別々に保存するのがおすすめです。麺はオイルコーティングをして保存し、食べる直前に温めたソースと和えれば、まるで出来立てのような味わいになります。ミートソースは多めに作っておけば、ドリアやラザニアなど他の料理にもアレンジできるので、作り置きの定番として非常に優秀です。
クリームソースの作り置きは注意が必要
濃厚で美味しいクリームソースですが、残念ながら作り置きには少し注意が必要です。クリームソースは、牛乳や生クリームといった乳製品をベースにしているため、冷蔵・冷凍保存すると油分と水分が分離しやすく、温め直した時にボソボソとした食感になってしまうことがあります。また、ソースが麺に吸収されやすく、パサついた仕上がりになりがちです。
もしクリームソースを作り置きしたい場合は、いくつかの工夫が必要です。まず、ソースを作る際に、小麦粉や片栗粉でしっかりととろみをつけておくと、分離しにくくなります。また、麺とソースは必ず別々に保存しましょう。
そして最も重要なのが温め直しの方法です。電子レンジで一気に加熱すると分離しやすいので、フライパンや小鍋でゆっくりと弱火で温めるのがおすすめです。その際、固まってしまったソースに少量の牛乳や生クリームを加えながら混ぜると、なめらかな状態に戻りやすくなります。手間はかかりますが、このひと手間を惜しまないことで、美味しいクリームパスタを再現することができます。カルボナーラのように卵を使うソースは、再加熱で卵が固まってしまうため、作り置きには不向きです。
和風ソース(きのこ醤油など)も相性抜群
意外と見落とされがちですが、醤油やだしをベースにした和風ソースも作り置きパスタと非常に相性が良いです。特に、きのこやツナなどを醤油バターで炒めたような、オイルやバターをベースにした和風ソースは、オイル系パスタと同様に水分が少なく、麺が伸びにくいのでおすすめです。
バターのコクと醤油の香ばしさが食欲をそそり、冷めても美味しく食べられるのが魅力です。きのこ、ベーコン、ツナ、ほうれん草など、様々な具材と組み合わせやすいのも嬉しいポイント。大葉や刻み海苔をトッピングすれば、風味もアップします。
ただし、めんつゆなどを多用する、水分量の多い「スープパスタ」のような和風ソースは、麺が伸びやすいので注意が必要です。そのようなソースの場合は、麺とは別々に保存し、食べる直前に合わせるようにしましょう。醤油ベースのソースは味がはっきりしているので、お弁当にもぴったり。作り置きパスタのレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
冷蔵?冷凍?正しい保存方法と温め直しのコツ
せっかく伸びないようにパスタを茹で、ぴったりのソースを選んでも、保存方法や温め直し方で失敗してしまっては元も子もありません。美味しさをキープするためには、最後の仕上げまで気を抜かないことが大切です。ここでは、冷蔵・冷凍それぞれの保存方法のポイントと、美味しさを復活させる温め直しのコツをご紹介します。
冷蔵保存のポイントと保存期間
すぐに食べる予定がある場合(翌日〜2日以内)は、冷蔵保存が手軽でおすすめです。保存する際は、清潔な密閉容器を使用しましょう。
【麺とソースを一緒に保存する場合】
ソースとよく和えたパスタを、一食分ずつ容器に入れます。この時、パスタをぎゅうぎゅうに詰め込むのではなく、ふんわりと入れるのがポイントです。容器のフタをする前に、パスタの表面にぴったりとラップをかぶせると、乾燥や酸化を防ぎ、風味を損ないにくくなります。
【麺とソースを別々に保存する場合】
オイルコーティングした麺だけを容器に入れ、ソースは別の容器に保存します。この方法が、最も麺の伸びを防ぎ、出来立てに近い状態を保つことができます。
冷蔵保存の場合、保存期間の目安は2〜3日です。特に夏場や、肉・魚介類など傷みやすい具材を使っている場合は、なるべく早めに(翌日中には)食べ切るようにしましょう。
長期保存なら冷凍がおすすめ!保存方法と期間
3日以上保存したい場合や、一度にたくさん作ってストックしておきたい場合は、冷凍保存が最適です。冷凍することで、美味しさを長期間キープすることができます。
【麺とソースを一緒に冷凍する場合】
ソースと和えたパスタの粗熱が完全に取れたら、一食分ずつ小分けにしてラップでぴったりと包みます。この時、なるべく平たく、薄くなるように包むのがポイントです。熱が伝わりやすくなり、素早く冷凍できるため、品質の劣化を防げます。ラップで包んだものを、さらに冷凍用保存袋(ジップロックなど)に入れて空気を抜いてから冷凍庫へ入れましょう。
【麺だけを冷凍する場合】
オイルコーティングした麺を、一食分ずつラップで包み、同様に冷凍用保存袋に入れて冷凍します。ソースも別途、小分けにして冷凍しておくと、食べる時に便利です。
冷凍保存した場合の保存期間の目安は約3週間〜1ヶ月です。それ以上経つと、冷凍焼けなどで風味が落ちてしまう可能性があるので、早めに食べることをおすすめします。
電子レンジでの上手な温め方
作り置きパスタを温める最も手軽な方法は、電子レンジです。しかし、ただ加熱するだけではパサパサになったり、加熱ムラができたりしてしまいます。上手に温めるには、ちょっとしたコツが必要です。
まず、冷凍したパスタの場合は、冷蔵庫に移して自然解凍しておくか、電子レンジの解凍モードで解凍してから温めるのが理想です。凍ったまま一気に加熱すると、中心が冷たいのに周りだけが熱くなりすぎる、といった加熱ムラの原因になります。
温める直前に、パスタに少量の水または牛乳(クリーム系の場合)を大さじ1杯ほど振りかけるのが最大のポイントです。これにより、加熱時に蒸気が発生し、パスタがふっくらと仕上がります。パサつきを防ぎ、麺がほぐれやすくなる効果もあります。耐熱皿に移し、ふんわりとラップをかけて、様子を見ながら加熱しましょう。途中で一度取り出して全体を軽く混ぜると、より均一に温まります。
- 冷蔵パスタ:約2分〜3分
- 解凍後の冷凍パスタ:約3分〜4分
機種によって加熱時間が異なるので、最初は短めに設定し、足りなければ追加で加熱するようにしてください。
フライパンで温め直して美味しさ復活
少し手間はかかりますが、フライパンで温め直すと、電子レンジよりもさらに美味しく仕上がります。特にオイル系のパスタや、ソースと麺を別々に保存していた場合におすすめの方法です。
まず、フライパンを弱火にかけ、作り置きパスタを入れます。この時も、パサつきを防ぐために少量の水または白ワインを加えるのがポイントです。蓋をして2〜3分蒸し焼きにすると、麺がふっくらとほぐれてきます。
麺がほぐれたら、蓋を取って中火にし、ソースとよく絡めながら水分を飛ばすように軽く炒めます。こうすることで、ソースの香りが立ち、味が全体に馴染んで一体感が生まれます。麺とソースを別々に保存していた場合は、まずフライパンでソースを温め、そこに麺を加えて絡めるようにしましょう。
この方法は、電子レンジでの温め直しに比べて、パスタのアルデンテ感が蘇りやすく、香ばしい風味も加わります。時間に余裕がある時は、ぜひ試してみてください。まるで作りたてのような美味しさに驚くはずです。
【応用編】作り置きパスタを美味しくアレンジ!
作り置きパスタは、温めてそのまま食べるだけでなく、少し手を加えるだけで全く別の料理に変身させることもできます。同じ味が続いて飽きてしまった時や、いつもと違う食べ方をしたい時にぴったりな、簡単アレンジアイデアをご紹介します。
グラタンやラザニアに変身
作り置きのミートソースパスタやトマトソースパスタが残っていたら、ぜひ試してほしいのがグラタンへのアレンジです。耐熱皿にパスタを入れ、上からホワイトソース(市販のものでOK)や牛乳を少し加え、ピザ用チーズをたっぷり乗せてオーブントースターで焼き色がつくまで焼くだけ。あっという間に、熱々クリーミーなパスタグラタンの完成です。ホワイトソースがなくても、マヨネーズをかけて焼くだけで、コクのある美味しい一品になります。
また、ミートソースパスタを使えば、簡単ラザニア風にすることも可能です。耐熱皿にパスタとホワイトソース、チーズを交互に重ねていくだけで、本格的な見た目と味わいが楽しめます。作り置きパスタだからこそ、味がしっかり染み込んでいて、リメイク料理にも深みを与えてくれます。ランチやディナーの主役にぴったりの、豪華な一皿に生まれ変わりますよ。
スープパスタとして楽しむ
少しパサつきが気になるようになってしまった作り置きパスタや、オイル系のシンプルなパスタは、スープパスタにアレンジするのがおすすめです。温かいスープがパスタに潤いを与え、美味しく蘇らせてくれます。
作り方はとても簡単。小鍋にコンソメスープやトマトスープ、中華スープなど、お好みのスープを作り、そこに作り置きパスタを加えてひと煮立ちさせるだけです。野菜やきのこ、ベーコンなどを一緒に煮込めば、具だくさんで栄養満点の一杯になります。
特に、冷凍保存しておいた麺だけのパスタは、凍ったままスープに入れて煮込むことができるので非常に手軽です。スープが麺の水分を補ってくれるので、多少伸びてしまったパスタでも美味しく食べられます。忙しい朝や、体を温めたい日の夜食にもぴったり。残り物の野菜などを加えて、オリジナルの食べるスープを作ってみてください。
サラダパスタにする場合の注意点
作り置きしておいたショートパスタは、サラダパスタにアレンジするのも良いでしょう。マヨネーズやドレッシングで和えるだけで、手軽なデリ風サラダが完成します。
ただし、サラダパスタにする場合はいくつか注意点があります。まず、冷蔵庫で冷えたパスタは固くなりがちです。そのまま和えるとボソボソとした食感になってしまうので、和える前にさっとお湯をかけるか、電子レンジで30秒ほど軽く温めて、麺を少しほぐしてから使うのがおすすめです。
また、マヨネーズやドレッシングの水分をパスタが吸ってしまいやすいので、食べる直前に和えるのが理想です。もしお弁当などで作り置きする場合は、ドレッシングを別の容器に入れて持っていくと良いでしょう。
具材には、ツナ、コーン、きゅうり、ハム、ブロッコリーなど、水分の出にくいものが向いています。作り置きパスタを上手に活用して、彩り豊かで美味しいサラダを楽しんでみてください。
まとめ:パスタの作り置きをマスターして、伸びない美味しさをいつでも!
この記事では、パスタを作り置きしても伸びないための様々なコツをご紹介してきました。最後に、大切なポイントを振り返ってみましょう。
- 茹で方が最重要!:パスタは袋の表示より1〜2分短く、芯が残る固さに茹で上げます。
- オイルコーティングを忘れずに:茹で上がったパスタは、オリーブオイルなどを絡めて水分の吸収と乾燥を防ぎます。
- パスタとソースの選び方:作り置きには太麺やショートパスタが最適。ソースは水分が少ないオイル系やトマト系がおすすめです。
- 正しい保存と温め直し:短期なら冷蔵、長期なら冷凍。温める際は少量の水分を加えて、ふっくらと仕上げるのがコツです。
これらのポイントを実践するだけで、作り置きパスタのクオリティは格段に上がります。忙しい日々の食事の準備がぐっと楽になり、いつでも手軽に美味しいパスタが楽しめるようになるはずです。ぜひ、次の休日にでも試してみて、あなたも「パスタの作り置き」をマスターしてください。
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