イタリア料理の名前一覧|定番から地方料理まで一挙に解説!

イタリアン料理・前菜

イタリア料理と聞くと、パスタやピザを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、イタリア料理の世界はもっと奥深く、食前のおつまみからメインディッシュ、デザートまで、数えきれないほどの美味しい料理が存在します。

この記事では、「イタリア料理の名前一覧」として、レストランのメニューでよく見かける定番料理から、知る人ぞ知る地方の郷土料理まで、その名前の由来や特徴をやさしく解説していきます。この記事を読めば、次にイタリアンレストランへ行くのがもっと楽しくなること間違いなしです。さあ、一緒に美味しいイタリア料理の世界を探検しましょう。

まずはここから!イタリア料理のコースメニュー名前一覧

本格的なイタリアンレストランでは、フランス料理のようにコース形式で料理が提供されるのが一般的です。 それぞれのカテゴリーにどんな料理が含まれるのかを知っておくと、メニュー選びがよりスムーズになります。まずは、基本的なコースの流れと、それぞれの名前を覚えましょう。

前菜(アンティパスト)

アンティパスト(Antipasto)は、「食事の前」を意味し、食欲をそそるための軽めの料理を指します。 冷たい料理が多く、カルパッチョやカプレーゼ、生ハムなどが代表的です。 地域によっては、その土地ならではの野菜や魚介を使ったアンティパストが楽しめます。 例えば、色とりどりの野菜のマリネや、新鮮な魚介のサラダ、サラミの盛り合わせなど、種類は非常に豊富です。 これから始まる食事への期待感を高めてくれる、大切な一皿と言えるでしょう。レストランによっては、前菜の盛り合わせを提供しているところも多く、シェフの個性やお店の特色が表れる部分でもあります。

プリモ・ピアット(第一の皿)

プリモ・ピアット(Primo Piatto)は、直訳すると「第一の皿」となり、アンティパストの次に出てくる料理です。 主にパスタやリゾット、スープといった炭水化物系の温かい料理が中心となります。 日本ではパスタをメインディッシュとして捉えがちですが、イタリアのコースではメインの前に食べるのが伝統的なスタイルです。このプリモ・ピアットで、お腹をある程度満たし、次のメインディッシュに備えます。カルボナーラやボロネーゼなどの有名なパスタ料理や、米をブイヨンで炊いたリゾットなどがこのカテゴリーに含まれます。スープもプリモ・ピアットの一種で、ミネストローネなどが定番です。

セコンド・ピアット(第二の皿)

セコンド・ピアット(Secondo Piatto)は、「第二の皿」を意味し、コースの主役であるメインディッシュを指します。 ここでは、肉料理または魚料理が提供されるのが一般的です。 レストランによっては、肉料理のコースと魚料理のコースがそれぞれ用意されていることもあります。 素材の味を活かしたグリルやロースト、煮込み料理など、調理法は様々です。 例えば、仔牛のカツレツである「コトレッタ」や、魚介を豪快に煮込んだ「アクアパッツァ」などが代表的です。メインディッシュと合わせて、「コントルノ(Contorno)」と呼ばれる付け合わせの野菜料理を頼むこともできます。

ドルチェ(デザート)とカフェ

食事の締めくくりは、ドルチェ(Dolce)と呼ばれるデザートです。 日本でもおなじみのティラミスやパンナコッタ、ジェラートなどが含まれます。 フランス菓子に比べて素朴で家庭的な味わいのものが多いのが特徴です。 普段の食事ではフルーツで済ませることも多いですが、レストランや特別な日には、こうした甘いお菓子を楽しみます。 そして、食後の最後にはカッフェ(Caffè)をいただきます。イタリアでカッフェといえば、濃厚なエスプレッソを指すのが一般的です。 このエスプレッソをキュッと飲み干して、美味しい食事の余韻に浸るのがイタリア流の締め方です。

【前菜・スープ編】食欲をそそるイタリア料理の名前一覧

イタリア料理の始まりを告げるアンティパスト(前菜)とズッパ(スープ)。彩り豊かで、これから続く料理への期待感を高めてくれます。ここでは、日本でも人気の高い前菜とスープの名前と、その魅力について詳しく見ていきましょう。

ブルスケッタ

ブルスケッタ(Bruschetta)は、イタリア中部の郷土料理で、トーストしたパンにニンニクをこすりつけ、オリーブオイルをかけたシンプルな料理です。 ローマ地方の方言「ブルスカーレ(炭火であぶる)」が名前の由来とされています。 シンプルながら、パンの香ばしさとオリーブオイルのフレッシュな香り、ニンニクの風味が食欲を刺激します。

現在では、刻んだトマトやバジルを乗せたものが定番ですが、他にもきのこのソテーやレバーペースト、オリーブのパテなど、様々なバリエーションが存在します。手軽に作れることから、家庭でも親しまれている前菜の一つです。 ワインとの相性も抜群で、アペリティーボ(食前酒)のお供としても人気があります。

カプレーゼ

カプレーゼ(Caprese)は、スライスしたトマトとモッツァレラチーズ、そしてバジルの葉を交互に並べ、オリーブオイルと塩で味付けした、非常にシンプルなサラダです。 トマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑がイタリア国旗の色合いと同じであることから、イタリアを象徴する料理としても知られています。 名前は、南イタリアの風光明媚な島「カプリ島」に由来します。

「カプリ風のサラダ(Insalata Caprese)」という意味で、その爽やかな見た目と味わいは、まさに南イタリアの太陽と青い海を彷彿とさせます。素材の良さが直接味に影響するため、新鮮で質の良いトマトとモッツァレラチーズを選ぶことが美味しさの秘訣です。

カルパッチョ

カルパッチョ(Carpaccio)は、生の牛ヒレ肉を薄切りにし、オリーブオイルやレモン汁、パルミジャーノ・レッジャーノチーズなどをかけた料理です。日本では、マグロやタコ、ホタテなど、魚介類の薄切りにソースをかけた冷菜として広く知られていますが、元々は肉料理でした。この料理が誕生したのは1950年、ヴェネツィアにある「ハリーズ・バー」という有名なレストランです。

常連客であった伯爵夫人のために、生の牛肉でも食べられる料理として考案されました。その鮮やかな赤と白の彩りが、当時ヴェネツィアで開催されていた画家ヴィットーレ・カルパッチョの展覧会で見た絵画の色彩を彷彿とさせたことから、画家の名前にちなんで「カルパッチョ」と名付けられたと言われています。

バーニャ・カウダ

バーニャ・カウダ(Bagna Càuda)は、イタリアのピエモンテ州を代表する冬の郷土料理です。ピエモンテの方言で「バーニャ」は「ソース」、「カウダ」は「熱い」を意味し、その名の通り「熱いソース」という意味になります。 このソースは、アンチョビ、ニンニク、オリーブオイルを混ぜ合わせて火にかけ、温めたものです。この熱々のソースを、テーブルの上で保温しながら、パプリカやセロリ、ラディッシュなどの新鮮な生野菜や、茹でた野菜にディップしていただきます。アンチョビの塩気とニンニクの香りが食欲をそそり、野菜をたくさん食べられるヘルシーな料理として、日本でも特に女性からの人気が高い一品です。

ミネストローネ

ミネストローネ(Minestrone)は、イタリアの家庭料理を代表する野菜スープです。 「具だくさんのスープ」という意味があり、決まったレシピはなく、使う野菜も季節や地方によって様々です。 一般的には、玉ねぎ、にんじん、セロリ、じゃがいも、ズッキーニなどの野菜を角切りにし、トマトと一緒に煮込んで作られます。さらに、ベーコンやパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)、豆類、パスタや米などを加えてボリュームを出すこともあります。 たくさんの野菜から溶け出した旨味が凝縮された、滋味深い味わいが特徴です。それぞれの家庭に「おふくろの味」があると言われるほど、イタリア全土で広く親しまれているスープです。

【パスタ・米料理編】定番から知りたいイタリア料理の名前一覧

イタリア料理の華ともいえるパスタと米料理。日本では一括りに「パスタ」と呼ばれますが、その種類は数百にも及びます。 ここでは、レストランで必ずと言っていいほど目にする定番のパスタ料理やリゾットについて、その名前の由来や特徴を深掘りしていきます。

カルボナーラ

カルボナーラ(Carbonara)は、日本でも絶大な人気を誇るパスタ料理の一つです。 ローマ発祥の料理で、主な材料はグアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)、卵、ペコリーノ・ロマーノ(羊乳のチーズ)、そして黒胡椒です。 生クリームを使わずに、卵とチーズのコクで濃厚なソースを作り上げるのが本場のスタイルです。名前の由来には諸説ありますが、「炭焼き職人」を意味する「Carbonaio」から来ているという説が有力です。 炭焼き職人が仕事の合間に作ったから、あるいはソースにかかった黒胡椒が炭の粉に見えるから、といった理由が考えられています。 濃厚でクリーミーながらも、黒胡椒がピリッと味を引き締める、絶妙なバランスが魅力の一皿です。

ペペロンチーノ(アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ)

ペペロンチーノは、ニンニク、オリーブオイル、唐辛子(ペペロンチーノ)で作る、最もシンプルなパスタ料理の一つです。正式名称は「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ(Aglio, Olio e Peperoncino)」と言い、イタリア語でそれぞれ「ニンニク、オイル、そして唐辛子」を意味します。 南イタリア、特にナポリ周辺が発祥とされ、家庭で手軽に作れる定番メニューとして親しまれています。 シンプルだからこそ、素材の質と調理の腕が試される奥深い料理でもあります。オリーブオイルにニンニクの香りをじっくりと移し、唐辛子の辛みを効かせ、パスタの茹で汁で乳化させてソースを仕上げるのがポイントです。そのシンプルで飽きのこない味わいは、多くのパスタ好きを魅了し続けています。

ボロネーゼ(ラグー・アッラ・ボロニェーゼ)

ボロネーゼ(Bolognese)は、北イタリアの美食の都として知られるボローニャが発祥の、肉をベースにしたソースです。正式には「ラグー・アッラ・ボロニェーゼ(Ragù alla Bolognese)」と呼ばれ、「ボローニャ風の煮込みソース」を意味します。日本ではミートソースとしておなじみですが、本場のボロネーゼは、たっぷりのひき肉を香味野菜やワイン、トマトペーストなどと一緒にじっくりと時間をかけて煮込んで作られます。肉の旨味が凝縮された、深みとコクのある味わいが特徴です。合わせるパスタは、平打ち麺のタリアテッレが定番で、ソースがよく絡み、相性抜群です。

アマトリチャーナ

アマトリチャーナ(Amatriciana)は、ローマ近郊の町アマトリーチェが発祥とされるトマトソースベースのパスタ料理です。 主な材料は、グアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)、ペコリーノ・ロマーノチーズ、そしてトマト。玉ねぎや唐辛子を加えることもあります。元々はトマトを使わない「グリーチャ」というパスタ料理が原型で、後にトマトが加わって現在のアマトリチャーナになったと言われています。グアンチャーレから出る脂の旨味と塩気、トマトの酸味、そしてペコリーノチーズの濃厚な風味が一体となった、力強い味わいが特徴です。本場ローマでは、穴のあいた太めのロングパスタ「ブカティーニ」と合わせるのが定番です。

ボンゴレ

ボンゴレ(Vongole)は、イタリア語で「あさり」を意味する言葉で、その名の通り、あさりをふんだんに使ったパスタ料理です。 あさりの出汁が染み出たスープをパスタに絡めていただく、魚介系パスタの代表格と言えるでしょう。大きく分けて、トマトを使わない「ビアンコ(白)」と、トマトソースで仕上げる「ロッソ(赤)」の2種類があります。ボンゴレビアンコは、白ワインとオリーブオイル、ニンニクであさりを蒸し煮にし、その旨味たっぷりのスープで仕上げます。シンプルながら、あさりの凝縮された味わいを存分に楽しめる一品です。一方、ボンゴレロッソは、トマトの酸味と甘みが加わり、より濃厚な味わいになります。

ジェノベーゼ

ジェノベーゼ(Genovese)といえば、日本ではバジルソースのパスタを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、これは少し誤解があります。バジル、松の実、ニンニク、チーズ、オリーブオイルをすり潰して作る緑色のソースは、正しくは「ペスト・アッラ・ジェノベーゼ(Pesto alla Genovese)」、つまり「ジェノヴァ風のペースト」と言います。このソースの発祥地が、北イタリアの港町ジェノヴァであるためこの名がつきました。一方、イタリアで「パスタ・アッラ・ジェノベーゼ」というと、実は玉ねぎをベースにした肉の煮込みソースのパスタを指すことが多く、注意が必要です。とはいえ、日本ではバジルソースのパスタが「ジェノベーゼ」として定着しており、その爽やかな香りと濃厚な味わいは多くの人に愛されています。

ミラノ風リゾット

ミラノ風リゾット(Risotto alla Milanese)は、北イタリアのロンバルディア州ミラノを代表する郷土料理です。 このリゾットの最大の特徴は、サフランを使った鮮やかな黄金色とその高貴な香りです。 生米を玉ねぎなどとバターで炒め、白ワインとブロード(出汁)を少しずつ加えながらアルデンテ(少し芯が残る状態)に炊き上げ、最後にパルミジャーノ・レッジャーノチーズをたっぷりと加えて仕上げます。この料理の起源は、ミラノ大聖堂のステンドグラス職人が、着色に使っていたサフランを賄い料理のリゾットに入れてみたのが始まり、という伝説が残っています。肉料理の付け合わせとして、特に「オッソ・ブーコ」と一緒に食べるのが伝統的なスタイルです。

【メインディッシュ編】覚えておきたいイタリア料理の名前一覧

コース料理のクライマックスを飾るセコンド・ピアット(メインディッシュ)。素材の味をダイレクトに楽しむ肉料理や、地中海の恵みを存分に味わう魚料理など、地方色豊かなメニューが揃っています。ここでは、名前を覚えておくとレストランで役立つ、代表的なメインディッシュをご紹介します。

アクアパッツァ

アクアパッツァ(Acqua Pazza)は、魚介をトマトやオリーブ、ハーブなどと一緒に水や白ワインで煮込んだ、ナポリの郷土料理です。 名前を直訳すると「奇妙な(狂った)水」となりますが、これは漁師が船の上で、獲れたての魚を海水で煮て作ったことに由来すると言われています。魚介の旨味が溶け出したスープは絶品で、パンに浸して最後の一滴まで楽しむのがおすすめです。タイやスズキなどの白身魚一尾を丸ごと使うことが多く、見た目も華やかで豪快な一皿です。 シンプルな調理法ながら、魚介とトマト、オリーブオイルが織りなすハーモニーは、まさに南イタリアの海の幸を凝縮したような味わいです。

コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)

コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ(Cotoletta alla Milanese)は、その名の通りミラノ発祥の伝統的な肉料理で、一般的に「ミラノ風カツレツ」として知られています。 骨付きの仔牛肉にパン粉をつけ、たっぷりのバターで揚げ焼きにしたものです。 日本の豚カツのルーツとも言われており、「カツレツ」という言葉の語源になった料理でもあります。

特徴は、薄く叩き伸ばされた肉と、カリッと香ばしく揚げられた衣の食感です。レモンを絞ってさっぱりといただくのが定番の食べ方。シンプルながらも、仔牛肉の上品な味わいとバターの豊かな風味を楽しめる、奥深い一品です。オーストリアの「ヴィーナーシュニッツェル」とよく似ていますが、ミラノ風は骨付き肉を使うのが伝統的なスタイルです。

サルティンボッカ

サルティンボッカ(Saltimbocca)は、薄切りにした仔牛肉にプロシュート(生ハム)とセージの葉を重ね、ソテーしたローマの伝統料理です。 料理名はイタリア語で「口に飛び込む」を意味し、その名の通り「あまりの美味しさにあっという間に平らげてしまう」ことから名付けられたと言われています。 仔牛肉の柔らかさ、生ハムの塩気、そしてセージの爽やかな香りが三位一体となった、風味豊かな味わいが特徴です。白ワインやバターを使ったソースで仕上げることが多く、シンプルながらも洗練された一皿として、イタリア全土で愛されています。調理法が簡単なため、家庭料理としても人気があります。

タリアータ

タリアータ(Tagliata)は、塊の牛肉をグリルやローストで焼き、提供する前に薄くスライスした肉料理です。 イタリア語の「tagliare(切る)」という動詞が名前の由来で、「薄く切った」という意味を持ちます。 焼き加減はレアやミディアムレアが基本で、肉本来の旨味をダイレクトに味わうことができます。皿に盛り付けた後、バルサミコ酢やオリーブオイルのソースをかけ、ルッコラやパルミジャーノ・レッジャーノチーズを添えるのが一般的なスタイルです。ローストビーフに似ていますが、タリアータは焼きたての温かい状態で提供されるのが特徴です。上質な牛肉の美味しさをシンプルに楽しむための、イタリアらしい肉料理と言えるでしょう。

オッソ・ブーコ

オッソ・ブーコ(Ossobuco)は、仔牛の骨付きすね肉を輪切りにし、野菜や白ワイン、ブロード(出汁)と共にじっくりと煮込んだ、ミラノの代表的な郷土料理です。 料理名はイタリア語で「穴の開いた骨」を意味し、煮込み終わった後の骨の中心にある、とろりとした食感の骨髄(オッソ・ブーコ)がこの料理の醍醐味とされています。香味野菜とトマトで煮込むのが一般的ですが、レモンの皮やパセリ、ニンニクを刻んで混ぜた「グレモラータ」を仕上げに振りかけるのが伝統的なスタイルです。長時間煮込むことで肉は驚くほど柔らかくなり、骨の髄からは濃厚な旨味が溶け出します。定番の付け合わせは、ミラノ風リゾットです。

【デザート・飲み物編】食後を彩るイタリア料理の名前一覧

美味しい食事の締めくくりには、甘美なドルチェ(デザート)と香り高いカッフェ(コーヒー)が欠かせません。日本でも人気の定番デザートから、イタリアならではの食後酒まで、食後のひとときを豊かに彩る名前をご紹介します。

ティラミス

ティラミス(Tiramisù)は、今や世界中で愛されるイタリアを代表するデザートです。 北イタリア発祥とされ、エスプレッソを染み込ませたビスケットやスポンジ生地の上に、マスカルポーネチーズをベースにしたクリームを重ね、仕上げにココアパウダーを振りかけたものです。 「Tira mi sù」という名前はイタリア語で「私を元気づけて」という意味を持ち、その栄養価の高さや、エスプレッソに含まれるカフェインの効果から、食べると元気が出るデザートとして名付けられたと言われています。 マスカルポーネチーズのクリーミーなコクと、エスプレッソのほろ苦さ、ココアの風味が絶妙に調和した、大人の味わいが魅力です。

パンナコッタ

パンナコッタ(Panna cotta)は、イタリア北部のピエモンテ州が発祥の、つるんとした食感が特徴的なデザートです。 イタリア語で「Panna」は「生クリーム」、「Cotta」は「煮た」を意味し、その名の通り「煮詰めた生クリーム」というシンプルな名前の料理です。 生クリーム、牛乳、砂糖を温め、ゼラチンで冷やし固めて作られます。ババロアと似ていますが、卵を使わず、泡立てないため、より滑らかでクリーミーな口当たりになります。 そのままでも美味しいですが、カラメルソースやベリー系のフルーツソース、チョコレートソースなどをかけて味の変化を楽しむのが一般的です。シンプルだからこそ、素材の良さが際立つデザートです。

ジェラート

ジェラート(Gelato)は、イタリア語で「凍った」という意味を持つ、イタリア風アイスクリームのことです。 発祥はフィレンツェと言われています。 一般的なアイスクリームと比較して乳脂肪分が少なく(通常4~8%)、その分、果汁や果肉など素材そのものの風味が強く感じられるのが特徴です。 また、作られる過程で含まれる空気の量が少ないため、密度が濃く、滑らかでねっとりとした独特の食感が生まれます。フルーツ系、ナッツ系、チョコレート系など、フレーバーの種類は非常に豊富で、旬の素材を活かしたジェラートも多く作られます。イタリアの街角にはジェラテリア(ジェラート専門店)が数多くあり、人々の生活に深く根付いています。

エスプレッソとカプチーノ

イタリアの食後に欠かせないのがカッフェ(コーヒー)です。イタリアで単に「Caffè」と注文すると、一般的にはエスプレッソ(Espresso)が出てきます。 専用のマシンで高圧をかけて抽出した、濃厚で香りの高いコーヒーで、デミタスカップと呼ばれる小さなカップで提供されます。 砂糖をたっぷり入れて、くいっと一気に飲み干すのがイタリア流です。一方、朝食の定番として親しまれているのがカプチーノ(Cappuccino)です。 エスプレッソに、蒸気で泡立てたスチームドミルクとフォームドミルクを注いだもので、その柔らかな口当たりとミルクの甘みが特徴です。イタリアでは、カプチーノは午前中に飲むものという習慣があり、午後に注文する人は少ないようです。

グラッパとリモンチェッロ

イタリアでは、豊かな食事の消化を助けるために、食後酒(Digestivo)を飲む習慣があります。その代表格がグラッパ(Grappa)とリモンチェッロ(Limoncello)です。グラッパは、ワインの醸造工程で出るブドウの搾りかすを蒸留して造られる、アルコール度数の高いお酒です。ブドウ由来の独特な香りがあり、食後にストレートでゆっくりと味わいます。一方、リモンチェッロは、南イタリア、特にナポリやカプリ島、アマルフィ海岸が名産地として知られるレモンリキュールです。レモンの皮をアルコール度数の高いスピリッツに漬け込み、砂糖水を加えて作られます。甘みが強く、爽やかなレモンの香りが特徴で、冷凍庫でキンキンに冷やして飲むのが一般的です。

まとめ:奥深いイタリア料理の名前一覧とその魅力

この記事では、イタリア料理の名前をコースの流れに沿って、前菜からデザート、飲み物まで幅広くご紹介しました。ブルスケッタやカプレーゼといったおなじみの前菜から、カルボナーラやアクアパッツァなどの定番料理、そしてティラミスやジェラートといった甘いドルチェまで、それぞれの名前には由来や特徴があり、イタリアの豊かな食文化を物語っています。

また、同じ名前の料理でも、南北に長いイタリアでは地域によって食材や調理法が異なり、多様な郷土料理が存在することも魅力の一つです。 北部ではバターやチーズを使った濃厚な料理が多く、南部ではトマトやオリーブオイル、魚介類をふんだんに使った料理が特徴です。

今回ご紹介したイタリア料理の名前一覧を参考に、ぜひレストランで様々な料理を注文してみてください。料理の名前を知ることで、メニュー選びがより楽しくなり、イタリア料理の奥深い世界をさらに満喫できるはずです。

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