「パスタは大好きだけど、炭水化物だから太りそう…」と、ダイエット中に食べるのを我慢していませんか?実は、パスタは「太りやすい食べ物」と一括りにするのはもったいない食材なんです。選び方や食べ方を少し工夫するだけで、ダイエット中でも罪悪感なく楽しむことができます。
この記事では、太りにくいパスタの種類をはじめ、ダイエットの味方になるソースや具材の選び方、そして血糖値の上昇を緩やかにする食べ方のコツまで、やさしくわかりやすく解説します。パスタが「太る」というイメージは、高カロリーなソースや食べ過ぎが原因であることがほとんど。正しい知識を身につければ、パスタは栄養バランスも整えやすい優秀なメニューになります。この記事を読んで、我慢するダイエットから卒業し、美味しくパスタを楽しみましょう。
パスタで太りにくい種類とは?GI値がポイント
パスタが太りやすいというイメージを持つ方は多いかもしれませんが、実はその選び方次第で、ダイエット中でも安心して楽しめる食材になります。重要なのは、パスタそのものの種類を見極めることです。ここでは、なぜパスタが太ると言われるのか、そしてどんな種類のパスタを選べば良いのかを、専門的な視点も交えながらわかりやすく解説していきます。
そもそもパスタは太りやすい?GI値で見る真実
「炭水化物=太る」というイメージから、パスタも敬遠されがちです。しかし、他の主食と比較してみると、パスタが必ずしも太りやすいわけではないことがわかります。その指標となるのがGI値(グリセミック・インデックス)です。GI値とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す数値のことで、この値が高い食品ほど血糖値が急上昇しやすく、インスリンというホルモンが多く分泌されます。インスリンには、血中の糖を脂肪として体に溜め込む働きがあるため、GI値が高い食品は太りやすいと言われています。
主な主食 | GI値の目安 |
---|---|
乾燥パスタ(デュラム・セモリナ粉) | 約65 |
白米 | 約88 |
食パン | 約95 |
うどん | 約85 |
玄米 | 約55 |
上の表を見ると、一般的な乾燥パスタのGI値は65で、白米や食パンよりも低いことがわかります。これは、パスタの原料であるデュラム・セモリナ粉が、硬質で食物繊維を比較的多く含み、糖質の吸収が緩やかになる性質を持っているためです。つまり、パスタは他の主食と比べて、もともと太りにくい性質を持っていると言えるのです。もちろん、食べ過ぎは禁物ですが、「パスタだから太る」と決めつけず、正しく選んで食べることが大切です。
ダイエット中におすすめ!太りにくいパスタの種類一覧
一般的な乾燥パスタでも比較的GI値は低いですが、さらに太りにくい種類を選ぶことで、より安心して食事を楽しむことができます。ダイエット中や健康を意識している方に特におすすめのパスタの種類をいくつかご紹介します。
- 全粒粉パスタ
小麦をまるごと粉にした全粒粉から作られたパスタです。表皮や胚芽も含まれているため、通常のパスタよりも食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富です。食物繊維が豊富なため、糖の吸収がさらに緩やかになり、GI値も低くなります。また、独特の香ばしい風味と、しっかりとした歯ごたえがあるのも特徴で、少量でも満足感を得やすいというメリットがあります。 - ライ麦パスタ
ライ麦を原料としたパスタで、全粒粉パスタと同様に食物繊維が非常に豊富です。黒っぽい色と、ほのかな酸味が特徴。こちらもGI値が低く、ダイエットに適しています。 - 玄米パスタ
玄米粉を主原料としたグルテンフリーのパスタです。玄米ならではの栄養価の高さが魅力で、ビタミンB群やミネラルを摂取できます。もちもちとした食感が特徴で、和風のソースとも相性が良いです。 - 低糖質パスタ
大豆粉やこんにゃく、おからなどを原料に使い、糖質量を大幅にカットしたパスタです。糖質制限をしている方には特に人気があります。商品によって食感や風味が異なりますが、最近では普通のパスタと遜色ない美味しさのものも増えています。食物繊維が豊富な商品が多く、満腹感も得やすいです。
これらのパスタは、スーパーのパスタコーナーや健康食品を扱うお店、オンラインストアなどで購入できます。いつものパスタをこれらに置き換えるだけで、罪悪感なく食事を楽しめるようになります。
【比較】普通のパスタと全粒粉パスタ、何が違う?
ダイエット中におすすめのパスタとしてよく名前が挙がる「全粒粉パスタ」。では、普通のパスタ(デュラム・セモリナ粉100%)とは具体的に何が違うのでしょうか。その違いを知ることで、自分に合ったパスタを選びやすくなります。
項目 | 普通のパスタ(デュラム・セモリナ) | 全粒粉パスタ |
---|---|---|
原材料 | 精製された小麦(胚乳のみ) | 小麦まるごと(胚乳、表皮、胚芽) |
GI値 | 中GI(約65) | 低GI(約50) |
食物繊維 | 少なめ | 豊富 |
栄養価 | 炭水化物が主 | ビタミンB群、ミネラル、鉄分などが豊富 |
食感・風味 | つるつる、もちもちとした食感 | 独特の香ばしさ、プチプチとした食感 |
色 | 明るい黄色 | 茶褐色 |
価格 | 比較的安価 | 比較的高価 |
最も大きな違いは、GI値と栄養価です。全粒粉パスタは食物繊維が豊富なため、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑えてくれます。これは、脂肪の蓄積を防ぐ上で非常に重要です。また、精製された小麦粉では失われてしまうビタミンB群や鉄分、マグネシウムといった栄養素をしっかり摂れるのも大きなメリットです。
一方で、風味や食感には違いがあります。全粒粉パスタの香ばしさや素朴な味わいが好きという人もいれば、少し食べ慣れないと感じる人もいるかもしれません。まずは普通のパスタと半々で混ぜて使ってみたり、味のしっかりしたトマトソースやミートソースと合わせたりすると、違和感なく取り入れやすいでしょう。
初めて全粒粉パスタを試すなら、まずは少量から。味の濃いソースと合わせると、独特の風味が気になりにくく、美味しく食べられます。
生パスタと乾燥パスタ、太りにくいのはどっち?
もちもちとした食感が魅力の生パスタと、スーパーで手軽に手に入る乾燥パスタ。この二つでは、どちらが太りにくいのでしょうか。結論から言うと、ダイエット中には乾燥パスタの方がおすすめです。
その理由は主に2つあります。
一つ目はGI値の違いです。一般的に、生パスタは乾燥パスタに比べてGI値が高い傾向にあります。これは、生パスタの水分量が多く、調理時間も短いため、でんぷんが消化されやすい状態になっているからです。一方、乾燥パスタは製造工程で高温乾燥させることで、でんぷんの構造が変化し、消化・吸収がゆっくりになるため、GI値が低くなります。
二つ目は1食あたりの量の違いです。生パスタは水分を含んでいるため、同じ100gでも乾燥パスタに比べて麺自体の量が少なく、カロリーや糖質量も低くなります。しかし、もちもちとした食感で食べやすいため、つい食べ過ぎてしまいがちです。レストランなどでは一人前が120g~150gで提供されることも多く、結果的に乾燥パスタ(乾麺で80g~100gが一人前)よりも多くのカロリーや糖質を摂取してしまう可能性があります。
もちろん、生パスタを食べてはいけないわけではありません。食べる量をきちんとコントロールし、食物繊維が豊富な野菜などと一緒に食べる工夫をすれば問題ありません。しかし、日常的に食べるのであれば、GI値が低く、量を管理しやすい乾燥パスタを選ぶのが賢明と言えるでしょう。
太りにくさを左右する!パスタソースの選び方
太りにくいパスタの種類を選んだら、次にこだわりたいのが「ソース」です。実は、パスタ料理のカロリーや脂質の大部分はソースによって決まります。せっかくヘルシーな麺を選んでも、ソースが高カロリーでは意味がありません。ここでは、ダイエット中でも安心して楽しめるソースの選び方について、具体的な種類を挙げながら解説します。
おすすめはコレ!トマトソース・オイルベース
ダイエット中にパスタを食べるなら、ソースはできるだけシンプルで、素材の味を活かしたものを選ぶのが基本です。特におすすめなのが、トマトソースベースとオイルベースのパスタです。
トマトソースベースのパスタ(ポモドーロ、アラビアータなど)は、トマト自体が低カロリーで、リコピンやビタミンなどの栄養素が豊富なのが魅力です。リコピンには強い抗酸化作用があり、美容や健康にも良い影響が期待できます。市販のトマト缶やホールトマトを使えば、自宅でも手軽にヘルシーなソースが作れます。ただし、砂糖や油が多く使われているミートソースやナポリタンは少し注意が必要です。ひき肉を赤身にしたり、ベーコンの代わりにきのこを使ったりと、具材を工夫すると良いでしょう。
オイルベースのパスタ(ペペロンチーノ、ボンゴレビアンコなど)は、オリーブオイルを基本としたシンプルなソースです。オリーブオイルには、悪玉コレステロールを減らす効果が期待されるオレイン酸が豊富に含まれています。にんにくや唐辛子で風味をつけ、きのこやブロッコリー、あさりなどの魚介類といった低カロリーな具材と組み合わせるのがおすすめです。オイルの使いすぎには注意が必要ですが、良質な油を適量摂ることは体にとっても大切です。乳化(オイルと水分をよく混ぜ合わせること)をしっかり行うことで、少ないオイルでもパスタ全体に味が絡み、満足感のある仕上がりになります。
注意が必要?クリームソース・ミートソース
一方で、ダイエット中には少し注意したいのがクリームソースや一部のミートソースです。これらがなぜ高カロリーになりやすいのか、その理由と食べる際の工夫について見ていきましょう。
クリームソース(カルボナーラ、サーモンのクリームパスタなど)は、生クリームやバター、チーズといった乳脂肪分を多く使用するため、どうしても脂質が高くなりがちです。特にカルボナーラは、ベーコンの脂も加わるため、パスタメニューの中でもトップクラスの高カロリーメニューです。もしクリーム系のパスタが食べたい場合は、生クリームの代わりに牛乳や豆乳を使う、低脂肪乳を選ぶ、チーズの量を減らすなどの工夫でカロリーを抑えることができます。また、具材にほうれん草やきのこをたっぷり加えることで、全体のカロリーを下げつつ栄養バランスを整えることができます。
ミートソース(ボロネーゼ)も、ひき肉の種類や量によってカロリーが大きく変わります。脂身の多い合いびき肉をたっぷり使うと、脂質が高くなります。自宅で作る場合は、鶏むね肉のひき肉や赤身の多い牛ひき肉を選びましょう。また、肉の量を少し減らして、代わりにみじん切りにしたきのこや玉ねぎ、にんじん、セロリなどの野菜をたっぷり加えることで、満足感を損なわずにカロリーと脂質をカットできます。野菜の旨味がソースに深みを与えてくれるので、美味しさもアップします。
市販のソースを選ぶときのチェックポイント
忙しい時には市販のパスタソースが便利ですが、選び方を間違えると高カロリーになりがちです。市販のソースを選ぶ際には、パッケージの裏側にある「栄養成分表示」を必ずチェックする習慣をつけましょう。
チェックすべきポイントは以下の3つです。
- エネルギー(カロリー)
まずは1食あたりのカロリーを確認します。ダイエット中であれば、ソースのカロリーは150kcal以下を目安にすると良いでしょう。クリーム系やチーズを多く使ったものは300kcalを超えるものもあるため注意が必要です。 - 脂質
カロリーと合わせて確認したいのが脂質の量です。特に動物性脂肪が多いソースは高カロリーの原因になります。脂質の量は10g以下を目安に選ぶと安心です。オイルベースのものでも、オリーブオイルがたっぷり使われているものは脂質が高くなるので、量をチェックしましょう。 - 食塩相当量
意外と見落としがちなのが塩分です。塩分の摂りすぎはむくみの原因にもなります。メーカーや種類によって差が大きいですが、できるだけ塩分が控えめなもの(2.5g以下が目安)を選び、物足りなければハーブやスパイスで風味を補うのがおすすめです。
・「1人前あたり〇kcal」の表示をしっかり確認する。
・「たっぷり」「濃厚」といった言葉よりも、「野菜の旨み」「素材を活かした」などのキャッチコピーのものを選ぶ。
・具材が入っていないシンプルなトマトソースやオイルソースを選び、自分でヘルシーな具材を追加するのも賢い方法です。
賢い具材選びで栄養バランスアップ&満足感も◎
パスタをヘルシーな食事にするためには、どんな具材を選ぶかが非常に重要です。食物繊維やタンパク質をプラスすることで、栄養バランスが整うだけでなく、満足感がアップして食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。ここでは、積極的に摂りたい具材と、できれば避けたい具材について解説します。
たっぷり摂りたい!野菜・きのこ類
ダイエット中のパスタで最も意識して加えたいのが、野菜やきのこ類です。これらの食材は低カロリーである上に、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には、血糖値の急上昇を抑えたり、腸内環境を整えたり、満腹感を持続させたりする働きがあり、ダイエットの強い味方です。
- おすすめの野菜
- ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、アスパラガス:ビタミンやミネラルが豊富。パスタと一緒に茹でれば手軽に調理できます。
- パプリカ、トマト、なす:彩りが豊かになり、見た目の満足感もアップします。抗酸化作用のある成分も豊富です。
- キャベツ、玉ねぎ:どんなソースとも相性が良く、かさ増しに最適。加熱すると甘みが出て美味しくなります。
- おすすめのきのこ類
- しめじ、舞茸、エリンギ、マッシュルーム:低カロリーで食物繊維がたっぷり。旨味成分が豊富なので、ソースの味に深みを与えてくれます。調理前に冷凍しておくと、さらに旨味が増すと言われています。
これらの具材を、パスタの麺と同じくらいの量か、それ以上入れるのが理想です。麺の量を少し減らして、その分野菜やきのこでかさ増しすれば、カロリーを抑えながらもお腹いっぱい食べることができます。例えば、乾麺をいつも100g食べているなら80gに減らし、代わりにブロッコリーやきのこをたっぷり加えるといった工夫が有効です。
筋肉の材料に!鶏むね肉・魚介類などのタンパク質
炭水化物であるパスタだけでは、栄養が偏ってしまいます。筋肉量を維持し、基礎代謝を落とさないためにも、タンパク質をしっかり摂ることが大切です。タンパク質は消化に時間がかかるため、腹持ちを良くする効果もあります。
- おすすめのタンパク質源
- 鶏むね肉、ささみ:高タンパク・低脂質の代表格。パサつきが気になる場合は、調理前に片栗粉をまぶしたり、そぎ切りにしたりすると柔らかく仕上がります。
- エビ、イカ、あさり、ホタテ:魚介類も低脂質で良質なタンパク質源です。特にあさりやホタテは出汁が出てソースが美味しくなるので一石二鳥です。冷凍のシーフードミックスを活用すると手軽です。
- ツナ缶、サバ缶:手軽に使える缶詰も便利です。選ぶ際は、油漬けよりも水煮(ノンオイル)のものを選ぶと、余分な脂質をカットできます。サバ缶などに含まれる良質な油(EPA、DHA)は健康にも良い効果が期待できます。
- 大豆製品:ひき肉の代わりに大豆ミートを使ったり、トッピングに煎り大豆を加えたりするのもおすすめです。
これらのタンパク質源をプラスすることで、栄養バランスが格段に良くなり、一皿で完結するバランスの良い食事になります。
避けたい具材と代用アイデア
パスタの具材として定番でも、ダイエット中には少し注意したいものもあります。それは、脂質の多い加工肉です。
- 注意したい具材
- ベーコン、ソーセージ、サラミ:これらは美味しいですが、脂質と塩分が多く含まれています。特に、炒めると多くの脂が出てくるため、ソース全体のカロリーを押し上げる原因になります。
もちろん、絶対に食べてはいけないわけではありませんが、頻繁に使うのは避けたいところです。もし使いたい場合は、量を減らしたり、調理前にさっと茹でて油抜きをしたりする工夫をしましょう。
よりヘルシーに楽しむための代用アイデアも活用してみてください。
避けたい具材 | 代用アイデア | ポイント |
---|---|---|
ベーコン | 鶏むね肉、きのこ類 | 鶏むね肉でタンパク質を補給。きのこ類は旨味成分が豊富で、ベーコンの代わりの風味付けになります。 |
ひき肉(合いびき) | 鶏ひき肉、赤身牛ひき肉、大豆ミート | 脂質の少ないひき肉を選ぶか、植物性のタンパク質で代用します。 |
生クリーム | 牛乳、豆乳、ギリシャヨーグルト | 乳脂肪分をカット。豆乳を使えばイソフラボンも摂取できます。ヨーグルトは酸味とコクをプラスできます。 |
このように、少し具材を置き換えるだけで、美味しさを損なわずにカロリーや脂質を大幅にカットすることが可能です。工夫次第で、パスタはダイエット中でも楽しめる頼もしいメニューになります。
調理法と食べ方で変わる!太りにくいパスタのコツ
太りにくいパスタの種類やヘルシーなソース、具材を選んだら、最後の仕上げとして「調理法」と「食べ方」にもこだわってみましょう。同じパスタでも、ちょっとした工夫で血糖値の上昇をさらに穏やかにしたり、満足感を高めたりすることができます。ここでは、今日からすぐに実践できる簡単なコツをご紹介します。
茹で加減は「アルデンテ」が基本
パスタを茹でる際、ぜひ意識してほしいのが「アルデンテ」です。アルデンテとは、パスタの中心に髪の毛一本分ほどの芯が残っている状態のことを指します。なぜアルデンテが良いのかというと、しっかりと噛む必要があるため、消化・吸収がゆっくりになるからです。
柔らかく茹で過ぎたパスタは、消化が早いため血糖値が急上昇しやすくなります。一方、アルデンテに茹でたパスタは、でんぷんの構造が壊れにくく、消化酵素が働きにくいため、糖の吸収が穏やかになります。これにより、インスリンの過剰な分泌を抑え、脂肪が蓄積されにくくなるのです。
パッケージに記載されている標準の茹で時間よりも、1〜2分早めに引き上げるのがアルデンテに仕上げるコツです。その後、ソースとフライパンで絡めながら加熱する時間も考慮に入れると、ちょうど良い硬さになります。また、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、少量でも満足感を得やすくなるというメリットもあります。美味しいだけでなく、ダイエットにも効果的な「アルデンテ」をぜひマスターしてみてください。
レジスタントスターチを活用!冷製パスタのススメ
温かいパスタも美味しいですが、ダイエットの観点からは「冷製パスタ」も非常に有効な選択肢です。その理由は「レジスタントスターチ」という成分にあります。
レジスタントスターチとは、消化されにくい(レジスタント)でんぷん(スターチ)のことで、「難消化性でんぷん」とも呼ばれます。炭水化物は通常、小腸で消化・吸収されますが、レジスタントスターチは消化されずに大腸まで届きます。そして、大腸で腸内細菌のエサとなり、食物繊維と似たような働きをしてくれるのです。
このレジスタントスターチは、パスタやご飯、じゃがいもなどの炭水化物を加熱した後に冷やすことで量が増える性質があります。そのため、茹でたパスタを冷水でしめて作る冷製パスタは、温かいパスタよりもレジスタントスターチが豊富に含まれています。
レジスタントスターチの効果には、以下のようなものがあります。
- 血糖値の上昇を緩やかにする
- 腸内環境を改善する(善玉菌を増やす)
- 満腹感を持続させる
夏場はもちろん、さっぱりとしたものが食べたい時には、ぜひ冷製パスタを選んでみてください。トマトや大葉、ツナなどを合わせた和風の冷製パスタなどは、脂質も少なくヘルシーでおすすめです。
食べる順番を工夫しよう!ベジファーストの効果
パスタを食べる前に、ひと工夫するだけで太りにくさが変わります。それが「ベジファースト」です。ベジファーストとは、食事の最初に野菜(Vegetable)を食べること。具体的には、パスタを食べる前に、食物繊維が豊富なサラダや野菜スープ、きのこのソテーなどを先に食べるという方法です。
最初に食物繊維を胃腸に入れておくことで、後から入ってくる糖質や脂質の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。これは、食物繊維が糖を包み込んで吸収を遅らせる働きをするためです。また、先に野菜でお腹をある程度満たしておくことで、メインのパスタの食べ過ぎを防ぐことにも繋がります。
1. 食事の最初に、食物繊維の多い生野菜サラダや温野菜、海藻、きのこなどを食べる。
2. 次に、肉や魚などのタンパク質のおかずを食べる。
3. 最後に、パスタやご飯などの炭水化物を食べる。
外食でパスタを食べる際も、まずはセットのサラダから手をつけるようにしましょう。この食べる順番を意識するだけで、体への負担が大きく変わってきます。
適量を守る!一食あたりのパスタの目安量
どんなにヘルシーな種類のパスタを選び、調理法を工夫しても、食べ過ぎてしまっては元も子もありません。やはり「適量」を守ることがダイエットの基本です。
では、パスタの一食あたりの適量とはどのくらいなのでしょうか。一般的に、成人女性の活動量が普通の場合、一食あたりのパスタの目安は乾麺で80g〜100gとされています。
- 乾麺80g:約280kcal、糖質量 約55g
- 乾麺100g:約350kcal、糖質量 約70g
スーパーで売られているパスタは一束100gになっていることが多いですが、ダイエット中は少し控えめの80g程度にすると良いでしょう。80gでは物足りないと感じるかもしれませんが、その分、先述した野菜やきのこ、タンパク質などの具材をたっぷり加えることで、満足感は十分に得られます。キッチンスケールで正確に計る習慣をつけると、カロリーコントロールがしやすくなります。自分の活動量やその日の食事全体のバランスを考えながら、適量を守って美味しくパスタを楽しみましょう。
【シーン別】外食・コンビニでパスタを選ぶときの注意点
自炊だけでなく、外食やコンビニでパスタを食べる機会も多いですよね。そんな時でも、少しの知識と選び方のコツさえ知っていれば、ヘルシーな選択が可能です。ここでは、レストランやコンビニでパスタを選ぶ際の具体的なチェックポイントをご紹介します。
レストランで注文するなら?メニュー選びのコツ
イタリアンレストランなどのメニューには、美味しそうなパスタがたくさん並んでいて、つい高カロリーなものを選んでしまいがちです。後悔しないためのメニュー選びのポイントは以下の通りです。
- ソースの種類で選ぶ
まずはソースに注目しましょう。これまで解説してきた通り、クリーム系よりもトマトソース系、オイルベース系を選ぶのが基本です。メニュー名に「カルボナーラ」「クリームソース」とあったら要注意。「ポモドーロ」「ペスカトーレ(魚介のトマトソース)」「ボンゴレビアンコ」「ペペロンチーノ」などは比較的ヘルシーな選択肢です。 - 具材をチェックする
次に、どんな具材が使われているかを確認します。「野菜たっぷり」「きのこの」といった、野菜やきのこが主役のメニューはおすすめです。逆に、「ベーコンと〇〇」「とろーりチーズの」といったメニューは、脂質が高くなる可能性が高いので注意しましょう。魚介類がメインのパスタも、良質なタンパク質が摂れるので良い選択です。 - サイドメニューを工夫する
パスタ単品ではなく、セットでサラダを注文し、ベジファーストを実践しましょう。パンやフォカッチャがセットになっている場合は、糖質の摂りすぎになるため、できれば控えるか、半分だけ食べるなどの工夫をすると良いでしょう。 - 量の調整を相談する
お店によっては、麺の量を少なめにしてもらうなどの対応が可能な場合があります。もし可能であれば、注文時に「麺を少なめでお願いします」と伝えてみるのも一つの手です。
これらのポイントを意識するだけで、外食でも賢くパスタを楽しむことができます。
コンビニパスタを選ぶときのチェック項目
手軽に買えるコンビニのパスタは、忙しい時の強い味方です。しかし、手軽さゆえに何も考えずに選んでしまうと、思った以上に高カロリーな食事になりがちです。コンビニでパスタを選ぶ際は、以下の項目をチェックしましょう。
- 栄養成分表示を必ず見る
市販のソースと同様に、パッケージに記載されている栄養成分表示は必ず確認します。特に「エネルギー(kcal)」と「脂質(g)」の数値に注目しましょう。
目安として、エネルギーは500〜600kcal台、脂質は20g以下のものを選ぶと、比較的ヘルシーと言えます。中には800kcalを超えるような商品もあるため、表示の確認は必須です。 - 野菜の量を確認する
麺ばかりが目立つ商品よりも、ブロッコリーやほうれん草、トマトなどの野菜がしっかり入っているものを選びましょう。見た目で野菜が少ないと感じたら、別にカップサラダや野菜スティック、野菜スープなどをプラスして、食物繊維を補うことが大切です。 - 和風パスタも狙い目
「きのこの和風パスタ」や「大根おろしとツナのパスタ」など、醤油ベースの和風パスタは、洋風のパスタに比べて脂質が低い傾向にあります。さっぱりとしていて食べやすいだけでなく、カロリーを抑えやすいのでおすすめです。ただし、明太子マヨネーズ系のパスタはマヨネーズの分、脂質が高くなることがあるので注意が必要です。
これらの点を意識して選ぶだけで、コンビニパスタもぐっとヘルシーな食事になります。
どうしても食べたい!高カロリーパスタの食べ方
ダイエット中とはいえ、どうしても「濃厚なカルボナーラが食べたい!」「チーズたっぷりのミートソースが食べたい!」と思う日もありますよね。そんな時に、我慢しすぎてストレスを溜めるのは逆効果です。食べたいものを賢く食べるための工夫を知っておきましょう。
- 食べるタイミングを選ぶ
高カロリーな食事は、これから活動する昼食に食べるのがおすすめです。夜はエネルギー消費が少なくなり、脂肪として蓄積されやすいため、夕食に食べるのはなるべく避けましょう。 - 前後の食事で調整する
高カロリーなパスタを食べることが決まっているなら、その日の朝食や夕食、または翌日の食事で調整しましょう。例えば、昼にカルボナーラを食べたら、夕食は野菜スープとサラダ、鶏むね肉など、低カロリー・高タンパクな食事にする、といった具合です。1食単位ではなく、1日や2〜3日のトータルでカロリーや栄養バランスを考えることが大切です。 - 誰かとシェアする
友人や家族と一緒に食事をするなら、食べたい高カロリーのパスタと、ヘルシーなサラダや前菜を注文し、シェアして食べるのも良い方法です。一人で一皿すべて食べるよりも、摂取カロリーを抑えながら満足感を得ることができます。
ダイエットは我慢の連続ではありません。上手に工夫して、食事を楽しみながら健康的に目標を達成していきましょう。
まとめ:太りにくいパスタの種類を選んで、美味しく健康的な食生活を
今回は、「パスタで太りにくい種類」をテーマに、ダイエット中でも安心してパスタを楽しむための選び方や食べ方のコツを詳しくご紹介しました。
この記事のポイントを振り返ってみましょう。
- パスタは太りにくい種類を選ぶ
パスタは白米やパンよりGI値が低く、もともと太りにくい主食です。さらに、全粒粉パスタや低糖質パスタなどを選ぶことで、よりヘルシーに楽しめます。 - ソースと具材の工夫が重要
ソースはクリーム系よりトマトソースやオイルベースを選びましょう。具材には、食物繊維が豊富な野菜・きのこや、タンパク質が摂れる鶏むね肉・魚介類をたっぷり加えることで、栄養バランスと満足感がアップします。 - 調理法と食べ方も意識する
茹で加減はアルデンテを基本とし、食べる順番はベジファーストを心がけることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。また、冷製パスタでレジスタントスターチを摂るのも効果的です。
「パスタ=太る」というイメージは、選び方と食べ方次第で変えることができます。この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひあなたも罪悪感なく、美味しいパスタライフを楽しんでくださいね。
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