ダイエット中に「パスタは太るから…」と我慢していませんか?実は、パスタの原料であるデュラム小麦を理解し、食べ方を工夫すれば、ダイエット中でも美味しく楽しむことができるのです。 一般的に炭水化物は太りやすいイメージがありますが、デュラム小麦から作られるパスタは、ご飯やパンといった他の主食と比較して、血糖値の上昇が緩やかであるという特徴を持っています。
この記事では、なぜデュラム小麦のパスタがダイエット向きと言われるのか、その理由を詳しく解説します。さらに、ダイエット効果を最大限に引き出すための具体的な食べ方のコツ、ソースや具材の選び方、そして他の麺類との比較まで、幅広くご紹介します。正しい知識を身につけて、罪悪感なくパスタを楽しみながら、健康的なダイエットを成功させましょう。
デュラム小麦のパスタはダイエット向き?その理由とは

「パスタは炭水化物だから太る」というイメージは根強いですが、実はパスタ、特に乾燥パスタは他の主食と比べてもダイエット向きの食材と言えます。 その秘密は、原料である「デュラム小麦」に隠されています。なぜデュラム小麦のパスタがダイエット中でも安心して食べられるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
そもそもデュラム小麦ってどんな小麦?
デュラム小麦は、パンやうどんに使われる一般的な小麦とは品種が異なり、非常に硬い性質を持つ小麦です。 主に地中海沿岸などで栽培され、パスタの本場イタリアでは、パスタを作る際にはデュラム小麦を使うことが法律で定められているほど、パスタ作りに欠かせない存在です。
このデュラム小麦を粗挽きにしたものが「セモリナ粉」と呼ばれ、乾燥パスタの主な原料となります。 粒子が粗いため、消化吸収がゆっくり進むという特徴があります。 また、良質なたんぱく質を豊富に含み、その含有量は卵に匹敵するほどです。 このたんぱく質が、パスタ独特の弾力やコシを生み出しています。
GI値が低いから太りにくい
デュラム小麦のパスタがダイエット向きである最大の理由は、GI値が低いことにあります。
GI値(グリセミック・インデックス)とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標のことです。 この数値が高い食品ほど食後の血糖値が急上昇し、インスリンというホルモンが多く分泌されます。 インスリンには、糖を脂肪として体に蓄える働きがあるため、過剰な分泌は肥満の原因につながります。
デュラム小麦から作られる乾燥パスタのGI値は約41〜65と、白米(約88)や食パン(約95)に比べて低い数値です。 そのため、パスタを食べた後は血糖値の上昇が緩やかで、インスリンの分泌も抑えられるため、脂肪がつきにくいと言えるのです。
たんぱく質や食物繊維も豊富
デュラム小麦は、他の小麦に比べてたんぱく質が豊富な点も特徴です。 たんぱく質は筋肉の材料となる重要な栄養素であり、筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、痩せやすい体作りに繋がります。
さらに、全粒粉のデュラム小麦パスタを選べば、食物繊維も豊富に摂取できます。 食物繊維は、血糖値の急上昇を抑えるだけでなく、腸内環境を整えたり、満腹感を持続させたりする効果も期待できます。 このように、デュラム小麦のパスタは、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補いながら、健康的に体重管理をサポートしてくれる優秀な食材なのです。
ダイエット効果を高める!パスタの賢い食べ方

デュラム小麦のパスタがダイエット向きであることはお分かりいただけたと思いますが、食べ方を少し工夫することで、さらにその効果を高めることができます。ここでは、ダイエット中にパスタを食べる際に意識したい4つのポイントをご紹介します。
適切な一食の量は?
ダイエット中だからといって、極端に量を減らす必要はありませんが、適切な量を知ることは大切です。一般的に、パスタの一食分の目安は乾麺で70g〜100gとされています。
70gの乾麺は、茶碗1杯のご飯とほぼ同じ糖質量です。 いつも100g食べている方は、まずは7割程度の70gを目安にしてみるのがおすすめです。 物足りなさを感じる場合は、後述する具材の工夫で満足感をアップさせましょう。パスタはGI値が低いとはいえ、カロリーや糖質がゼロではないため、食べ過ぎには注意が必要です。
血糖値の上昇を緩やかにする「アルデンテ」調理
パスタを茹でる際は、ぜひ「アルデンテ」を意識してください。アルデンテとは、パスタの中心に少し芯が残っている状態のことです。
少し硬めに茹で上げることで、自然と噛む回数が増えます。 よく噛むことは、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐだけでなく、消化吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できます。
いつもの茹で時間より1〜2分短くするだけで、簡単にアルデンテに仕上げることができます。このひと手間で、太りにくい食べ方へと変えることができるのです。
食べる順番を工夫しよう
パスタを食べる前に、食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻類を使ったサラダやスープを先に食べる「ベジタブルファースト」を実践しましょう。
食物繊維を先に摂取することで、後から入ってくる糖質の吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇を防ぐことができます。 また、先にある程度お腹を満たしておくことで、パスタの食べ過ぎ防止にも繋がります。 パスタ単品で済ませるのではなく、サラダやスープを組み合わせることで、栄養バランスも整い、より健康的な食事になります。
食べる時間帯も意識する
ダイエット中にパスタを食べるなら、活動量の多い昼食がおすすめです。食べたものがエネルギーとして消費されやすいためです。
一方で、夜に食べる場合は注意が必要です。夜は日中に比べて活動量が減り、糖を溜め込みやすくなるためです。 どうしても夜に食べたい場合は、量を少なめにし、野菜やたんぱく質をたっぷり加えるなど、より一層ヘルシーな工夫を心がけましょう。パスタは低GI食品なので、血糖値の急上昇は防ぎやすいですが、食べる時間帯も意識するとさらに効果的です。
太りにくいパスタソースと具材の選び方

パスタが太りやすいと言われる原因の一つに、ソースや具材のカロリーの高さがあります。 デュラム小麦のパスタを選んでも、合わせるものによっては高カロリーになってしまうことも。 ここでは、ダイエット中でも安心して楽しめる、太りにくいソースと具材の選び方をご紹介します。
オイル系・和風ソースがおすすめ
ダイエット中に選ぶなら、比較的カロリーが低いオイル系や和風、トマトソースがおすすめです。
- オイル系(ペペロンチーノなど): オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、健康効果も期待できる良質な脂質です。 オイルがパスタをコーティングすることで、血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。 ただし、オイルの使いすぎはカロリーオーバーに繋がるため、量は大さじ1〜2杯程度にしましょう。
- 和風ソース: きのこや大根おろし、海苔などを使った和風ソースは、低カロリーであっさりとしているためダイエットに最適です。 特にきのこは食物繊維が豊富なので積極的に取り入れたい食材です。
- トマトソース: トマトに含まれるリコピンには、中性脂肪を減らす働きが期待できると言われています。 野菜をたっぷり加えて、ヘルシーなトマトソースパスタを楽しみましょう。
クリーム系・ミートソースは要注意?
一方で、クリーム系のソースや、ひき肉をたっぷり使ったミートソースは注意が必要です。
- クリーム系(カルボナーラなど): 生クリームやバター、チーズをふんだんに使うため、脂質が多く高カロリーになりがちです。 どうしても食べたい場合は、牛乳や豆乳で代用したり、量を半分にしたりする工夫が必要です。
- ミートソース: ひき肉の脂質が多くなりがちなソースです。 赤身の多いひき肉を選んだり、肉の量を減らしてきのこや野菜でかさ増ししたりすると、カロリーを抑えることができます。
全く食べてはいけないわけではありませんが、頻度や量には気をつけましょう。
たんぱく質と野菜をたっぷりプラス
パスタの麺の量を少し減らし、その分、たんぱく質や野菜をたっぷり加えるのが、ダイエットを成功させるための重要なポイントです。
- たんぱく質: 鶏むね肉、ささみ、エビ、イカ、タコ、アサリ、ツナ缶(ノンオイル)などは、低脂質・高たんぱくでパスタとの相性も抜群です。たんぱく質には血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できます。
- 野菜・きのこ類: ブロッコリー、ほうれん草、きのこ類、パプリカ、玉ねぎなどを加えることで、食物繊維やビタミン、ミネラルを補給できます。 具材を大きめにカットすると、噛む回数が増えて満腹感を得やすくなります。
これらの具材でかさ増しすることで、麺の量が少なくても満足感が得られ、栄養バランスも向上します。
デュラム小麦パスタと他の麺類との比較
デュラム小麦のパスタがダイエット向きであることは分かりましたが、他の麺類と比べるとどうなのでしょうか。ここでは、「全粒粉パスタ」や身近な「うどん」「白米」と比較して、それぞれの特徴を見ていきましょう。
全粒粉パスタとの違い
通常のデュラム小麦パスタと並んで、ダイエット中におすすめなのが全粒粉パスタです。
全粒粉とは、小麦の表皮(ふすま)や胚芽を取り除かずに、まるごと粉にしたものです。 そのため、精製されたデュラムセモリナ粉から作られる通常のパスタよりも、食物繊維、ビタミン、ミネラルといった栄養素が格段に豊富に含まれています。
| 種類 | 特徴 | GI値の目安 |
|---|---|---|
| デュラム小麦パスタ | つるつるとした食感で食べやすい。たんぱく質が豊富。 | 65 |
| 全粒粉パスタ | 独特の風味と香ばしさがある。食物繊維、ビタミン、ミネラルがより豊富。 | 50 |
GI値も全粒粉パスタの方が低い傾向にあり、より血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。 独特の風味が苦手でなければ、ダイエット効果をさらに高めたい方には全粒粉パスタが非常におすすめです。
うどんやそうめんとのGI値比較
同じ麺類であるうどんやそうめんと比較すると、パスタのGI値の低さが際立ちます。
| 麺類 | GI値の目安 | 主な原料 |
|---|---|---|
| パスタ(デュラム小麦) | 65 | デュラム小麦 |
| うどん(ゆで) | 80 | 中力粉 |
| そうめん(ゆで) | 68 | 小麦粉 |
うどんやそうめんは、一般的な小麦粉から作られており、消化吸収が早いためGI値が高くなる傾向にあります。 ダイエット中に麺類を選ぶ際は、GI値を意識してパスタを選択するのが賢明と言えるでしょう。
白米との栄養価比較
主食の代表格である白米とパスタを比較してみましょう。(乾麺100gと白米1膳(150g)で比較)
| 項目 | パスタ(乾麺100g) | 白米(炊飯後150g) |
|---|---|---|
| カロリー | 約378 kcal | 約234 kcal |
| 糖質量 | 約69.5 g | 約53.4 g |
| GI値 | 約65 | 約88 |
一食あたりのカロリーや糖質量はパスタの方が高くなる傾向にありますが、注目すべきはやはりGI値の低さです。 同じ量の糖質を摂取しても、パスタの方が血糖値の急上昇を抑えられ、脂肪として蓄積されにくいというメリットがあります。 量を適切に調整すれば、パスタはダイエットの強い味方になります。
よくある質問 Q&A

ここでは、デュラム小麦のパスタとダイエットに関する、よくある質問にお答えします。
冷製パスタはダイエットに良い?
はい、冷製パスタはダイエットにおすすめです。
パスタなどの炭水化物は、一度冷やすことで「レジスタントスターチ」という成分が増えることが知られています。
レジスタントスターチは、「難消化性でんぷん」とも呼ばれ、消化されずに大腸まで届き、食物繊維のような働きをします。 これにより、血糖値の上昇をさらに緩やかにする効果や、腸内環境を整える効果が期待できるのです。
温かいパスタよりも脂肪燃焼効果が期待できるという意見もあります。 さらに興味深いことに、一度冷やしたパスタを温め直すと、レジスタントスターチの効果がさらに高まるという報告もあります。 夏場はもちろん、温め直しても良いので、作り置きにも活用できそうですね。
早ゆでパスタでも効果は同じ?
早ゆでパスタは、麺に細かい溝を入れるなどの加工によって、短時間で茹で上がるように作られています。基本的な原料は通常のパスタと同じデュラムセモリナ粉ですが、その加工法から消化吸収が早まる可能性も考えられます。
ダイエット効果を最大限に考えるのであれば、標準的な茹で時間の乾燥パスタを選び、アルデンテに仕上げるのが最もおすすめです。 しかし、忙しい時には早ゆでパスタも便利です。その際は、野菜やたんぱく質をたっぷり加える、ベジタブルファーストを徹底するなど、他の食べ方の工夫をより一層意識すると良いでしょう。
パスタを食べ過ぎたらどうなる?
デュラム小麦のパスタがいくら低GI食品だとは言え、食べ過ぎてしまえばカロリーや糖質の過剰摂取につながります。
消費カロリーを摂取カロリーが上回れば、当然ながら体重増加の原因となります。 また、糖質の摂りすぎは、脂肪の蓄積だけでなく、血糖値の乱高下を招き、眠気や集中力の低下を引き起こすこともあります。
もし食べ過ぎてしまった場合は、次の食事で調整することが大切です。野菜やたんぱく質中心の軽めの食事にしたり、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れたりして、体内に溜め込まないように意識しましょう。何事も「適量」を守ることが、健康的なダイエットの基本です。
まとめ:デュラム小麦のパスタをダイエットの味方に

「パスタは太る」という長年の思い込みは、もう手放して良いかもしれません。 デュラム小麦から作られるパスタは、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品であり、適切に食べればダイエット中でも楽しめる心強い味方です。
この記事でご紹介したポイントを振り返ってみましょう。
- GI値の低いデュラム小麦のパスタを選ぶ
- 一食の量は乾麺70g〜100gを目安にする
- 茹で加減はアルデンテを心がける
- 野菜やスープから先に食べる「ベジタブルファースト」を実践する
- ソースはオイル系や和風、トマトソースを選ぶ
- たんぱく質や野菜をたっぷり加えてかさ増しする
これらのコツを実践すれば、栄養バランスを整えながら、満足感を得て、無理なくダイエットを続けることができるでしょう。我慢ばかりのダイエットは長続きしません。 正しい知識を身につけ、デュラム小麦のパスタを美味しく楽しみながら、理想の体を目指しましょう。



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